Mar 15, 2016

シティプロモートとかDMOとか図解しちゃうよ！

こんにちは、江別市議会議員の堀です。前回の更新で、シティプロモートについては、重点的なテーマについて長期的かつ戦略的に行なう地域の宣伝。DMOについては、観光目的地としての地域を効果的に経営する組織と整理しました。それでは、その前提を基づいて、さっそく図解してみますね。

: シティプロモートとDMOの関係性

従来から行政には、広報と観光に役割がありました。

観光といえば、団体旅行を中心とした観光業の振興のための環境整備が主でしたが、モータリゼーションの進展による個人旅行の増加によって、ドライブによる利用者などを視野に入れた物産施設が行政や公企業により設置されるようになりました。それは国としても、インフラの整備からインフラの利用促進にシフトしていった背景もあったのであろうと見てとれます。その代表例が、道の駅です。

時代は移ろい、社会の多様化が進み、人口減少社会に突入していきます。その環境変化から、隣接領域をつなぐ機能、それによる分野横断、地域の稼ぐ力といったような、戦略的な攻めの地域経営が時代の要請を受けるようになり、その文脈のなかから、シティプロモートやDMOが紹介されるようになりました。それはつまり、民間ノウハウであるマーケティング、あるいは経営戦略の行政への導入の必要性が迫られたわけです。

では、シティプロモートの役割は何かといえば、良質なイメージ形成、それによる地域ブランド構築であると言われています。ならばシティプロモートは、地域価値を伝え、またそれが伝わりやすくなる環境を整備していくことになります。次に、デスティネーションマネジメント（DMO）の役割は何かといえば、外貨獲得、つまり地域にお金を落としていただく、それによって経済活性化や産業振興を行なっていくものです。前者のシティプロモートと比較するなら、デスティネーションマネジメントは、シティセールスと言えるのかもしれません。

といったように、シティプロモートとDMOは、密接に関係しております。よって、双方の役割分担や各々の目標設定を明確にしながら、資源と取組を行ったり来たりさせ、連携を密にすることで相乗効果が図られます。江別市においては、シティプロモート（広報）が企画政策部、DMO（観光）が経済部となっております。機能の性質上からも、企画サイドと経済サイドの得意を生かし合い、不得意を補い合う観点が必要です。

そうすることができたなら、リピート化、さらにはファン化、ひいては定住人口の拡大につながります。ここまで来ると、非常に難易度の高い業務になりますが、こうした遠くを見据えた上で行政課題解決を目指す必要があります。そして何より重要なのが、こうした取組によって、マーケティングおよび戦略的事業実施のノウハウが蓄積され、それを他の恒常的業務に波及させることにより、行政サービスの実施全体によって、市民福祉の向上について不断の努力を積極的に行なうマインドを、より醸成していこうとすることが持続可能なまちづくりを進めていくうえで、殊に大きな力になります。

: シティプロモートとDMOの決定的な相違点

さて、今まではシティプロモートとDMOは、マーケティングが核になることにより、非常に共通することが多いという話をしました。そのため縦割り行政になることなく、双方の事業が重複しないよう進めることも重要な視点となります。ただここで、シティプロモートとDMO、あるいは広報と観光には決定的な違いがあることに気づきます。以下が、双方の手段と目的を整理した表です。

もちろん、こんなにきれいに切り分けることはできませんが、本質的な性格上、シティプロモートは宣伝であるから、地域の「魅力発信」が目的となり、DMOは売り込みであるため商材がなくてははじまりません、地域の「魅力発掘」が目的となります。

それでは手段となると、シティプロモートも発信する資源が魅力的でなければなりませんから、結果的に地域の「魅力発掘」が必要になります。DMOにおいても売るためには、その資源を伝えていく必要性が生じ、地域の「魅力発信」をすることになるわけです。表のとおり、入れ子構造になっています。

以上、図解を用いて、シティプロモートとDMOを整理してみました。何かわかりにくいところがありましたら、お知らせいただけたらと思います。それでは、次回いよいよ最終回。「江別市は、シティプロモートとかDMOどうなってるの？ – 協働まちづくりと観光協会の独立化をめぐって」について、更新したいと思います。

前回も更新したように、江別市議会は目下、予算特別委員会中であります。今日（3月15日）はこれから、観光を所管する商工労働課（おそらく、16時くらいでしょうかね…）。明後日（3月17日）は、シティプロモートを所管する政策推進課になります。傍聴が可能で、受付は3階の議会事務局になります。なんか行きにくいなと思ったら、わたしにご連絡いただいても構いません（委員会中で連絡に応答できないときは、ごめんなさい…）ので、ぜひともお越しくださいませ。新十津川町議会のように、満員御礼になるといいですよね^ ^