議員の「仕事」は幅広く、奥深く、難しい… が、やりがいがある
昨日は委員会がなかったので、インターン生と一緒に意見交換会のチラシをポスティングしました。列がドラクエみたいになってる…
こんにちは、江別市議会議員の堀です。2月26日から、平成30年第1回定例会がはじまっており、3月9日から予算特別委員会が開かれています。3月議会は予算があるため会期が長く、閉会は3月23日となっております。予算審査(さらに、10月の決算審査)は、江別市がどんなことをやっているのか全体的に把握できるため、傍聴おすすめです。本庁舎3階の議会事務局で受付をすれば、だれでも傍聴できます。お時間がある方は、ぜひいらしてみてください。15日水曜日、16日木曜日、17日金曜日と、予算審査が続きます。
: 1. 一般質問
平成30年第1回定例会は、10人の議員が一般質問をしました。3年間、一般質問を聞いていて思うのですが、各議員からさまざまな政策提言があり、議会というのは監査機関としてだけではなく、政策研究機関としての機能があるなあとつくづく思います。まして、大きくもない市町村となれば、専門の政策研究機関などなく、また執行機関(市役所)にも腰を据えて調査研究するほどの余裕が資金的にも人員的にもないため、人口減少高齢社会という未知の時代において、議会のシンクタンクとしての機能は重要性を増していきます。
そうした考えのもと、自分は今回、市の経営について着目しました。経営の役割は、第一に、展望を示すこと。第二に、労働環境を改善をもって、奉仕の向上を図ること。この2つに尽きるだろうとの観点から、総合計画と職員人事の一般質問をしました。質問には入れれなかったのですが、PM理論ですとか、マネジリアル・グリッド理論などで語られていることです。ある意味、総合計画に関しては、今までのシティプロモートなどの一般質問と重なる部分が多かったかなと思いますが、職員人事に関しては、まったく新しい方向性でしたし、調べれば調べるほど、奥の深い世界でした。なお、今回の質問の項目は、以下のとおりです。
1. 第6次江別市総合計画について
(1)第6次江別市総合計画の中心に据えたキーワードである協働と戦略性について
(2)めざすまちの姿に至るためのシナリオについて
(3)江別のポジショニングと多様性について
(4)みんなでつくる未来のまちえべつの計画をみんなでつくることについて
2. 職員人事について
(1)多様性と専門性のある職員をいかに確保するかについて
(2)研修について
(3)女性職員の昇進を促進させるための環境整備について
(4)民間派遣について
(5)20%プロジェクトという考え方について
(6)目標による管理について
(7)異動について
(8)任期付幹部職員制度の導入について
(9)採用における年齢制限の撤廃について
(10)職員の仕事に対して市民の理解を深めることの重要性について
質問している動画は、こちら(1:15:06から)です。今回、質問は、文字ではなく、最終的に言葉として伝わっていくものだということを意識して、読み原稿を読み上げるのに集中するのではなく、なるべく前を向いてゆっくりと、話し言葉として伝わるように努力しました。みなさま、いかがでしょうか??
: 2. 職員人事
議員の仕事は、市民福祉の向上を考え、監査や政策提言をすることです。職員人事の一般質問に関しても、市民の生活を守るための行政サービスを充実させるためには、市役所の能力を最大限引き出すことが不可欠だという観点になります。しかし、この分野の特殊なところは、市民を守るためにどうしたらいいか?ということを考え続けることが、職員を守るためにどうしたらいいか?につながることです。
質問の読み原稿を書いていて思ったんですが、「ああ、これ以上は、議員の仕事ではないな」と。端的に言うと、余計なお世話というか。議員の言うことではないというか。議会対応で、職員が残業になってしまうという現状を考えると、もっと考えたいことがあったのですが、議員の立場では、ここが限度かなあと。ただ、強く思うのは、いくら良い政策をつくっても、それを現実にする市役所というチームの成熟度次第で、市民が触れる行政サービスが良くなったり、悪くなったりするわけです。よって、市役所の職場環境向上というのは、自治体経営の最も重要なことであると言っても、自分は過言ではないと思っています。
職員アンケートの管理職への昇進希望が極めて低いということも、質問にしました。議場では、「自己評価が低いのでは」ということしか言いませんでしたが、結局のところ、割に合わないっていうのもあると思うんですよね(僕がそう思うだけかな…?)。職員アンケートのやりがいに関する設問でも、係長、主幹、課長というミドルの数値が低いです。管理職になると責任も増え、民間にはない議会対応という特殊な業務も発生するにも関わらず、残業代がなくなり、管理職手当はそれに見合わない。
しかしますます、自治体経営は厳しくなります。管理職手当を増やすというのは、難しいでしょう。じゃあ、どうすればいいのか。これは、残業をなくす。これしかないのかなと。人件費が減少するということは、経営に寄与しますし、いわゆるワーク・ライフ・バランスの確保という意味でも、家族や趣味の時間をつくることは重要です。
そしてこのことは、地方公務員への副業解禁がセットで議論されるべきです。地方公務員法の「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」「職務専念の義務」の条項から、副業は難しいとされていた地方公務員でしたが、2017年4月から神戸市が職員の副業を解禁しました。時代の流れとしても、自治体職員の副業解禁は徐々に広がっていくと思いますので、次回このテーマで質問するときは、「市職員の副業解禁」がメインかなと思っています。
今回の質問では、「任期付幹部職員の採用」「職員採用の年齢制限の撤廃」に関して、前向きな答弁がありました。これからも、江別市役所が地域課題解決の専門家集団であり続けられるよう、自分もその一助になっていきたいと思っています。
それと、今定例会で勉強になったなあと思うのが、自分が所属する生活福祉常任委員会で審査された生活保護に関する陳情についてです。各委員の主張を聞いていると、どれも理解できるのです。これが正しい、あれが間違っているではなく、異なる意見を認知したうえで判断するためには、その状況や自分の役割など、変数を代入しなければ答えが出ません。市議会議員という立場を鑑み、採択の立場で採決に望みました(採択の結果は、14対13で不採択)。
最後になんですが、タイトルにも入れた単語ではあるのですが、「やりがい」って言葉、自分はあんまり好きではないですよね。内面的すぎて。何かいい言葉があったら、教えてください^ ^;
編集者議員・堀直人
http://ebetsu2.net/