Nov 3, 2016

もしも、ボクが地域おこし協力隊だったなら…

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空き店舗を活用したビジネスで、シャッターが一つまた一つと開いていくといいですよね(写真は、ブックストリートの様子

 

こんにちは、江別市議会議員の堀です。もしも、ボクが地域おこし協力隊だったなら…という最終回の地域おこし協力隊記事を書くと言っていたのは前回、それまだ募集をしていた5月、かれこれ半年近くが経ち…地域おこし協力隊のみなさんが、すでにやってきています!

7月1日から、畠山真理さん、佐賀絵実子さん、御坊田祥平さん、川崎知世さんの4名が着任しており、大麻地区の住み替え相談支援、大麻地区のシティプロモート、地域振興、6次産業化支援と、それぞれの任務に取り組んでおります。詳しいところは、市役所ウェブサイトの紹介ページを見ていただけたらと思うのですが、みなさんとても熱心に取り組んでおります。その様子は、FBページからもご覧になれますので、ぜひチェックしてみてくださいね^ ^

というようにですね…順調に隊員のみなさんがすでに活動しているいまになってですよ…アタシ、地域おこし協力隊の記事を書く意味あんの?この連載、打ち切りでいんじゃね?と思ったんですが、何を隠そう、某町の地域おこし協力隊に募集したことがあるワタクシ。応募書類にやりたいことは、「絵本を翻訳して海外展開」と書きましたよ。なんというかめんどくさそうな人というか、極めて意識高い系かつヒャッハーな企画で、実にこれは採用したくない応募書類ですね(笑。案の定不採用で、そのおよそ1年後、地元・江別に戻ってまちづくりをしたい!と思わせる出会いがあり、いまに至るわけですが、そんなもんですから最終回は、協力隊をなれなかったワタクシが、いろいろありすぎてすっかりムダに意識が低くなっちゃった記事を書くよ!

というわけで、本題です。ここでは3つの視点から、こんなこといいな☆できたらいいな♪とかそういうことではなくて、制度という生存環境を分析し、目標から逆算した計画を立てて、地域おこし協力隊という立場を使い倒して、継続性のある取組にステップアップするための戦略について、ボクが地域おこし協力隊だったならという設定で考察してみたいと思います。

 
 

: 1. 任期は3年後のために使う

 
3年の任期で結果を出すなんて難しい…と考えるものかもしれませんが、そもそも結果なんて出さなくていいとこっそり自分のなかで割り切りますね、ボクだったら。何故か。これが3年ごとに契約更新の仕事なら、3年間とにかく成果を出すことに注力して契約更新を獲得するという、持続可能な地域おこし生活もあるかもしれませんが、最長3年で協力隊は終わりです。よって、地域おこし協力隊の任期は、3年後の目指すところへの準備期間と捉えよっかなと。成果は、そのあとに出せばいいじゃない。

もし行政の担当職員から与えられる指示に埋め尽くされ、準備なんかできないとしたら…困りましたね。よくある行政をdisるブログをバズらせて…とかは最後の手段として、味方や理解者を幅広く増やしたり、いろんな人に相談をしたりして、生存環境が悪い場合は残念ながら、カードを多く集めて有利にゲームを展開するというデュエルをやるしかないですが、もし無理ゲーだとしたら、チェンジですよ、チェンジ。地域をdisるブログとかバズらせたり、時間と労力の無駄遣いをするのもったいない。次いこ!次!

 
 

: 2. 3年後の持続可能な生活設計を考える

 
では、3年後どこを目指すか。つまり食い扶持ですが、これはいろいろあると思いますね。思いつくままに上げますが、起業、就職、結婚、江別の場合だったら、札幌に職を求めて江別に住むなんてことができるのも優位点ですね。就職を目指すなら、とにかく3年間のうちに人脈を広げるのがいんじゃないですかね。視野を広げるためにも、どんどん市外に出ます。10年間ばかしサラリーマンをやってわかったのは、仕事は知人の紹介が最も打率がいいです。札幌で働いて、江別に住みながら、空いている時間を江別で市民活動に使うというのも、わたしは素敵なことだと思います。起業か否かみたいな、二者択一で整理する必要はなく、その中間には無限の濃淡があって、人それぞれの地域おこしのあり方があると思います。結婚?むしろ独身のアタシがノウハウ教えてほしいわ!(アタシ家事全般できますッ!

変わり種としては、知人の協力隊が「よそ者の力で地域活性化とか寝言を言っている地域を叩きおこしてやる!(おこ)」とか言っているうちに、議員になっていました。まあ、ナシじゃないと思いますが、アッチからコッチに来るわけでしょ?検事やめて弁護士やりますみたいな感じでしょ?(←わかりにくい例え)想像するだけでもイバラの道ですよね。ちなみに協力隊のときより、議員報酬の方が安いため、1次産業バイトが欠かせず、バイト・ギイン・バイトの生活を送っているとのことです。

あ、そうそう、もう一つありました。これかなりアツイなあというのが、事業継承や第二創業です。いままで事業継承は、息子など親族に行なっていたと思うのですが、このご時世、そうも言ってられなくなってきています。ある調査で見たのですが、半数近い経営者は、「自分の代でやめようかなあ…」と思っているみたいで、上位の理由が後継者不足です。これじゃいくら起業支援をがんばっても、事業者数は減ってしまいます。しかも起業と違って事業継承の場合、ゼロからのスタートではありません。特に儲かっているのに、後継者不在で廃業する事業を存続したい。こうした例では、顧客、設備や不動産、運転資金など、スタート時にもれなくヒト・モノ・カネが用意されている夢のような条件かもしれません。客足の途絶えないのに廃業する名店とか、地域文化の観点からも大きな損失です。もしかしたら起業したい人と、後継者を探している人をマッチングするのは、起業支援以上に重要な産業振興施策かもしれません。事業継承で第二創業した協力隊といえば、この人が有名なんじゃないっすかね。

 
 

: 3. 任務を通して3年後のメシの種を探す

 
ボクだったら…そりゃやっぱ起業でしょ。資金的にも、ネットワーク的にも、起業を目指すなら協力隊は有利な条件です。なんせ協力隊は任期終了後、起業費用100万円がもらえるみたいじゃないですか。これ、中小企業庁の創業補助金の自己負担分にしたら、実質自己資金なしで起業できるんじゃない?併用できるかどうか調べてないので、もしかしたら併用できないかもしれないですが、補助対象外費用に100万円を使うと考えても、やっぱりかなり起業のハードルが下がります。人脈も情報が手に入りやすいのも、協力隊の魅力。地域おこしという大義名分、その隊員という立場を最大限有効活用して、起業に邁進するぜよです。

じゃあ、ボクが江別市の地域おこし協力隊だったら、何をメシの種(商材)にするのか。ボクなら、値下がり続ける空き家等の不動産を活用した地域課題解決ビジネスを選びますね。安く仕入れた不動産を、付加価値をつけて高く売るわけです。不動産投資ですね。とりわけ取引のハードルが低いうえ、ビジネスモデルがシンプルで、まちづくりなど商売だけでは表せない波及効果も高いゲストハウスが狙い目。利幅は低いけど収益が安定しているシェアハウスを併用し、ゆくゆくは交流人口から定住人口に関わる不動産を一貫して扱えるようになることを目指します。簡単にゲストハウスの売上を試算しますと、1800円×16ベット×30日×稼働率60%=518,400円/月という感じで、ざっくりですが、ここから経費を引いても生活はできるんじゃないですかね。全国各地のゲストハウスに泊まったことがあるボクから見ますと、交通の便のいい江別は、宿泊者にとっては「札幌感覚」です。それでいて、不動産が安い。民泊が解禁されると、改装費用が抑えられるなど追い風もさらにアリで、キテます!!!!

じゃじゃじゃあ、そうと決まれば、あとは3ヶ年計画を立て、それに沿って粛々と準備を進めていきますよ。物件探すっていっても、けっこう大変です。貸すって言っていた人が、気持ち変わりしやっぱ貸さないとかもあるでしょう(実話)。融資のための事業計画書や補助金の申請書を書くのにも、じっくり事業を練る必要もあるでしょう(失敗談)。こういうのを起業してからやったり、逆に普通のサラリーマンしながらやったりするのは過酷で、ここに報酬をもらいながら準備ができる3年間があるかないかの違いはかなり大きいし、成功率も高まるはず。空き家ビジネス以外にも、ビジネスの種はあると思うので、任務という格好の情報収集・人脈形成の機会を活用し、さまざま収支計画を試算し、最適なネタを検討する3年間にします。

 
 
以上が、ボクが地域おこし協力隊だったらの巻でした。

制度というのは、あくまで制度です。使い方によって味方にも敵にもなり、とりわけ受け身だと制度に振り回されるだけになるのが、この地域おこし協力隊制度ではないでしょうか。隊員、地域、行政、それぞれみんなが、うまく使いこなしていきたいものです。

…とかなんとかエラソーなこと言ってますけど、わたし自身は議員としての4年後を明確に描けているわけではない(こういうまちを目標にしよう、という明確に描いていますが…)ですけどね。よって、そうそうゴールから逆算した具体的な計画があるわけないし、日々途方に暮れながら試行錯誤模索しながら前に進むものだよねLIFE、そう簡単に戦略どおり行くわけじゃないよね世の中、というのは重々承知しております。加えて、ワタクシは4年で終わりとは限らず、議員はとにかく成果を出すことに注力しなければならない、という認識でおりますことを申し添えておきますσ^_^;

これをもって、地域おこし協力隊制度の連載、完結!…と考えていたのですが、書いているうちに、もう一つのもしもシリーズを書かないわけにはいかない気持ちになってきました。その名も、「もしも、ボクが地域おこし協力隊担当職員だったら」です。というわけで、あともう1話やらせてくださいッ!(水曜どうでしょうのベトナムみたいになってきた…
 
 
horidot

編集者議員・堀直人
http://ebetsu2.net/

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