Jan 3, 2021

激動の2020年、そして、創造の2021年へ

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします🎍

コロナウイルス感染症の感染拡大により、みなさまも大変なご苦労をされておられることと案じております。2020年、わたしにとっても激動の一年となりました。感染症災害の蔓延により、あらゆることがやれなくなり、同時にあらゆることをやり始めました。とにかくボールを転がしてみて、うまく転がったものを進めていくというアジャイルな1年だったので、2021年はその検証を踏まえて計画的に活動していく段階に進んでいきたいと思っています。

 

ゲニウス・ロキが旅をした号、荒波の船出

 

 

2019年7月21日にプレオープンしたゲストハウス「ゲニウス・ロキが旅をした」は、クラウドファンディングで140人の方から1,713,501円もの多くのご支援をいただき、いよいよグランドオープンというときに襲来したのが、コロナウイルス感染症でした。予定していた4月25日のグランドオープンを、3ヶ月後の7月25日に延期することを余儀なくされました。

しかし7月25日、落ち着きはじめていた状況が一変、第二波で東京を中心に感染が拡大し、先が見通せないためグランドオープンの延期はせず、オープニングイベントをオンラインに切り替え実施しました。グラウドファンディングのお礼でオープニング合宿というものがあり、ご支援くださった方々にようやく会えることを楽しみにしていたため、本当に残念でなりません。いつか訪れる終息を願って、この会を催すのはそのときが来ることを心待ちにすることとなりました。
 


 

とは言えど、メンバー全員で集合写真を撮ったときは、荒波の船出とはなったものの少しずつ前に進んでいけるという希望がありました。結果はというと、ご近所割/一棟貸しキャンペーン/曜日シェアハウスなど試行錯誤し企画を打ち出すも、第三波の到来により船を避難させることにしました。こうして、現在は一般宿泊の予約受付を休止しているという状況です。
 


 

しかし、それにはもう1つは理由がありました。2020年10月から、休眠預金等活用法に基づく助成を受け、「ゲストハウスを活用した生活困窮者事業」という取り組みを開始したため、その受入を感染拡大が収まるまで優先させるための措置でもあります。この事業はどういうものかというと、ゲストハウスの空室を活用し、住居喪失された方に無料で一時居住支援を実施するというものです。

住居喪失者支援というのは、大都市部の課題であって、ネットカフェすらない江別市の課題ではないという先入観がありました。しかし、このことを契機として調査してみると、生活保護申請の待機期間(概ね2週間)に一時居住支援が必要になるケースなど、江別市にとっても無縁のことではないということがわかりました。むしろ、大都市部のように一棟借上でシェルターを用意したりできない中都市部こそ、宿泊施設を活用した一時居住支援が適しており、とりわけ、安価なゲストハウスは最適だと言えるのです。したがって、感染症が終息したあとも有用な仕組みになりうると考えており、特に力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
 


 

このコロナ禍によって失われたものも多くありましたが、いままで発想になかったことに気づくことができたのは、幸運だったと思います。ゲニウス・ロキが旅をしたは、「困りごとをゴキゲンに変えるゲストハウス」というキャッチコピーを掲げておりますが、この正解がわからないピンチのなか、あたらしい領域に取り組むチャンスを与えられたことに、本当に感謝しております。

 
 
 

イベントのオンライン化がニューノーマルに

 


 
そもそも、コロナ前に構想していたものは、「人の密によって生まれる価値」を求めた取り組みばかりでした。その価値基準が逆転し、「人が密にならない価値」が要請されるなか、注目したのがオンライン。2020年は、多くのオンラインの取り組みをしました。思い出したものを挙げるだけでも、以下のとおりです。
 

NPO法人北海道冒険芸術出版
「絶望を希望に変えていく物語」chapter.1|持続可能性 × ポストコロナ
「絶望を希望に変えていく物語」chapter.2|観光 × ポストコロナ
「絶望を希望に変えていく物語」chapter.3|アドボカシー × ポストコロナ
「絶望を希望に変えていく物語」chapter.4|政治 × ポストコロナ
「絶望を希望に変えていく物語」chapter.5|福祉 × ポストコロナ
「絶望を希望に変えていく物語」chapter.6|教育 × ポストコロナ
北海道冒険芸術出版設立10周年記念オンラインイベント

NPO法人北海道NPOサポートセンター
よのなかスクール / ONLINE #01「ウィズコロナ/ポストコロナのNPO」
よのなかスクール / ONLINE #02「ステイホーム時代のイベント」
よのなかスクール / ONLINE #03「今すぐやってみたくなる!ファンドレイジング入門」
よのなかスクール / ONLINE #04「人を巻き込み、育ち、共に活動をつくる」
よのなかスクール / ONLINE #05「上半期振り返り・オンライン飲み会」
よのなかスクール2020|実習①「プロジェクトのはじめかた/進めかた」
よのなかスクール2020|事例研究①「まちづくりの本質がここにある」
よのなかスクール2020|オンライン合宿「対話コミュニケーション入門」
よのなかスクール2020|事例研究②「キラキラだけじゃ済まされないでしょ?」

ゲニウス・ロキが旅をした
ONLINE DIALOG「旅は世界を救う」第1章
ONLINE DIALOG「旅は世界を救う」第2章
ONLINE DIALOG「旅は世界を救う」第3章
ONLINE TRAVEL「ムテキの場所」case.01|勝ち負けがない村
ONLINE TRAVEL「ムテキの場所」case.02|敵のない環境
オープニングイベント「旅は世界を救う – 場所と物語の意味を巡る24時間」
オープニングイベント「観光の終焉 / 余剰ストック / 異文化間葛藤 / イノベーションの消失に立ち向かうホストハウスの仲間たち」
野性計画 #01 / それでも場の持つ力を信じている|想像と協働のためのMTG

その他
北海道オンライン物産展
生活支援コーディネーター養成研修(主催:北海道)
 

いままで気づいていなかった「オンライン」の価値に気づけたことも、このコロナ禍によって得られたものです。それと同時に、だからこそ「オフライン」の価値も際立ちました。ポストコロナのイベントは、現地参加とネット参加が選べる「オンラインとオフライン併用形式」が標準になっていくでしょう。これは、北海道にとって大きなチャンスです。

中央と地方の情報格差が狭まったと言われて久しいですが、自分はまだ大きな情報格差があると思っていて、それは「イベント」と呼ばれるものでした。しかしそれが、「オンライン化」することで、中央/地方の構図が消失しました。知人はこれを「どこでもドア」と呼んでいましたが、距離という壁が壊されフラットになったことは、地方にとって極めて重大です。

田舎でイベントをすれば集客に苦労しますが、オンラインであれば田舎だろうが関係ありません。実際にわたしが実施したオンラインイベントでは、離れた場所にいる人をゲストに招き(地方でゲストを呼ぶときの「交通費問題」も解消される)、海外から多くの方が参加されました。感染症が終息したのちには、現地でも開催することで、対面コミュニケーションの価値も共存することが可能です。次世代のイベントの姿が見えたことが、とても大きな気づきでした。

 
 
 

ピンチをチャンスに変えていくために

 


 
「ピンチをチャンスに」というのは、わたしの市議選のときの選挙ポスターのキャッチコピーなのですが、あまりにも逆境と契機のコントラストが強い一年だったので、久しぶりに思い出してみました。今回の話をピンチ/チャンスで整理すると、こんな感じになります。
 

ピンチ
– 旅を含めた移動が抑制されることにより、宿泊事業に急ブレーキがかかった
– 密になることや対面コミュニケーションが制限され、集まることによる価値が提供できなくなった

チャンス
– 住居喪失者支援という福祉分野に、ゲストハウスが有用であることに気づくことができた
– オンラインというツールにより地方格差がなくなり、次世代イベントのかたちが見えた
 

上記はわたしの2020年についてですが、江別市の政策においてもピンチとチャンスがあります。

ピンチ
– 観光誘客に打撃を受けた
– 市立病院の経営がさらに悪化した

チャンス
– テレワークの浸透により、北海道に定住人口・関係人口促進政策の優位性が増大した
– 公立病院のあり方を問い質すきっかけが生まれた(国の方針に影響があるか?)
 

ピンチをチャンスに変えるというと、あたかも魔法のような話に聞こえてしまい、そんなウマイ話あるんかい?という気にもなります。実際に、お茶を濁すフレーズとして使われたこともあるかもしれません。ただわたしは、このピンチをチャンスに変えるというものは、ある意味、当然のことではないかと思うのです。

ある環境において、必ず良い面と悪い面があります。ということは、環境が変化すれば、あたらしい良い面と悪い面が発生します。この現象の前者がチャンスであり、後者がピンチであり、ピンチによる打撃を最小化し、チャンスによる好機を最大化することこそ経営です。

たとえば、人口減少。これを問題と呼ぶ人がおりますが、そうではありません。人口減少自体は、単なる環境の変化であって、そのことを背景に生まれるピンチを最小化し、チャンスを最大化するのが、現代の政治家が考えるべき政策です(望ましくない環境変化であれば、それを発生させない政策を考える必要がある)。

2020年、コロナ禍という大きな環境変化がありました。その局面において、わたしの立場からピンチを最小化し、チャンスを最大化するために、小さな失敗と検証を繰り返してきました。その結果、視野が明瞭になってきたことがありますことから、2021年はそのことをじっくり組み立てて、計画的に取り組んでいきたいと思います。

 
 
 

創造の2021年をどう生き切るか

 


 
さて、2020年を振り返ってまいりましたが、最後に2021年を展望して終わりにしたいと思います。まず、わたしの6つの仕事(来年から、さらに1つ加わる)を挙げてみます。

1. 合同会社ロキの業務執行者
2. NPO法人北海道NPOサポートセンターの事務局員
3. NPO法人北海道冒険芸術出版の代表者
4. フリーランス
5. 政治活動
6. リアルに先生と呼ばれる仕事

上から順に、2021年をタスクを整理していきたいと思います。
 

1. 合同会社ロキ|2021年目標:場づくりによる生活課題解決の基礎を築く
– 1月:持続化給付金申請など事務が山積、連続ワークショップ「おかえり商店街🙋」がスタート
– 2月:別府研修、「おかえり商店街🙋」ワークショップ終了
– 3月:「おかえり商店街🙋」制作物完成
– 4月:オルタナティブコンビナート「野性」(仮)のクラウドファンディング開始
– 5月:クラウドファンディング連動イベント
– 6月:クラウドファンディング行脚
– 7月:「野性」オープン、「ゲニウス・ロキが旅をした」2周年イベント
– 8月:多機能人材育成拠点「想像と協働の教室」(仮)がスタート
– 9月:休眠預金の生活困窮者事業終了、報告コンテンツ完成
– 10月:「困っている人 in レジデンス(KIR)」の実施
– 11月:群馬勢にお返ししに行きたい
– 12月:商店街の仲間たちと協働することが増えそうな予感

2. NPO法人北海道NPOサポートセンター|2021年目標:NPOの拡張という旗を立てる
– 2020年度休眠預金資金配分団体のプログラムオフィサーという業務をやるらしい
– 今年こそ、よのなかスクールをオフライン開催したい(念願のスタディツアー催行を…)
– まったく去年、前に進められなかった「北海道共創プラットフォーム」(仮)をかたちにしたい
– 2021年度も「生活支援コーディネーター養成研修」を担当したいな(総合事業おもしろい!)

3. NPO法人北海道冒険芸術出版|2021年目標:あたらしい自治のあり方を具体的に提示する
– 今年度中に名称/定款変更申請(→ NPO法人21世紀のつくりかた)
-「想像と協働の教室」のプログラム開発
– 9月に設立記念イベント、機関紙創刊

4. フリーランス|2021年目標:売上2倍
– お金を貯めないといけないので、お仕事が増えてほしいなあ…(展望になっていない笑)

5. 政治活動|2021年目標:2023年4月を見据えた政策づくり/関係づくりの基礎固め
– 4月!と言いたいところだけどロキ業務が立て込んでいるので、年内に活動報告書を発行
– 感染症が落ち着いて、いろんな人のお話を聴けるようになるといいな…

6. リアルに先生と呼ばれる仕事|2021年目標:事なきを得る
– とりあえず、仕事に慣れることで精一杯となることでしょう…
 

以上のように、2021年も生き抜いてゆこうと思います。長い文章になりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。なんだかわたしの脳内整理にお付き合いいただいた感じで、申し訳ありません😭

去年は2回しかウェブサイトを更新できませんでしたが、今年は更新頻度を増やしたいなと思っています。あ、あとnoteの更新は頻繁にしておりますので、もしよかったらご覧になってみてください。市長選挙後の心境なども書いてます!

改めて、2019年は、本当にみなさまにお世話になりました。2020年は、あらゆる価値観が破壊されましたが、破壊のあとには創造があります。2021年を大きな創造の年になるように、今年も全力を尽くします。2021年、これからも引き続きよろしくお願いいたします。
 
 
horidot

元・江別市議会議員/堀直人
http://ebetsu2.net/

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