Dec 26, 2017

行政の仕事ならば、たとえ観光であれ、江別市民への奉仕につながるべきではないか(前編)

自転車乗りの方々を案内したときの写真。豊幌の道をとても気に入ってくれて、とても良かったです。

 
こんにちは、江別市議会議員の堀です。今日の記事は、何かにつけて触れている観光行政について。年1回定期的に、一般質問も行なっており、シティプロモートと並んで追いかけている分野です。なぜかと言えば、議員になる前から本を出版していたため、観光分野の取り組みに関わることが多く、経験がある。専門家の知人も多く、情報を多く持っている。つまり、端的に言うと、得意だからです。得意なことは、パフォーマンスが高く、議会や行政にとっての時間を使うにも能率的だと思っていますので、積極的に政策提言を行なっています。

が、しかし… ブログの特集で記事にしたのは、遡ること約2年前、2016年3月15日の記事において、次回最終回と銘打ったまま放置していました(毎度すみません…)。今日はその続きとして、一般質問から表層した市のスタンスを振り返りながら、現在の市の実施状況について記したのち、わたしが行き着いた江別の観光のあり方について述べようと思います。

 
 

: 1. 平成27年第4回定例会(12月議会)

 
このときの一般質問は、ディスティネーション・マネジメントの観点で質問しました。このDMO(ディスティネーション・マネジメント/マーケティング・オーガニゼーション)は、江別青年会議所主催の「江別未来創造フォーラム」(2016年10月23日)で、北海道宝島旅行社の鈴木宏一郎さんもご講演されていましたが(協力隊の方のFBページの投稿に、詳しい内容が書かれておりました)、それから約2年ほどが立ち、なんだかおかしな方向に行き、そっちじゃないんじゃないかなーという用語になってしまったように思います。あるセクターでこの言葉を使いすぎたことで、思惑を多く含んだ言葉になってしまいましたよね。そのため、わたしはもうDMOという言葉を使わず、「(観光を手段にした)地域経営」と言うようにしています。

観光案内所の機能拡張、シティプロモートとの連携、観光におけるマーケティング、産業振興の手段としての観光、協働のまちづくりの手段としての観光、観光地ではない江別だからこそできる新しい観光行政。この6つが、この質問のポイントでした。これに対し市は、観光案内所の機能拡張について、「観光に関する情報が主なものとなりますが、今後におきましては、市民や観光客等の要望などに合わせ、段階的に業務の拡大について検討してまいりたい」との見解。シティプロモートとの連携について、「シティプロモートと観光は、共通する部分が多く、幅広く連携していくことが重要でありますことから、全庁横断的な政策会議で各部の役割を調整し、さらに企画政策部が中心となり、事業が重複することがないように、効率的な取り組みを進めて」いるとの見解。観光におけるマーケティングについて、「旧ヒダ工場商業施設EBRIを訪れた方からのデータ収集や分析、さらにビッグデータの活用など、江別市におけるマーケティングに基づく観光振興の取り組みを推進」するとの見解。産業振興の手段としての観光について、「観光誘客を視野に入れた交流人口の増加と商工業や農業振興につながるイベント等の取り組みを行うほか、市内施設の情報発信を行うなど、地域の観光につながるよう検討してまいりたい」との見解。協働のまちづくりの手段としての観光について、「(EBRI)今後もイベントなどの集客行事の開催、魅力的な店舗づくり、あるいは情報発信などを数多く行うことで市民等に親しまれる施設となるよう支援してまいりたい」との見解。観光地ではない江別だからこそできる新しい観光行政については、「情報の発信拠点である江別アンテナショップGET’Sを活用し、地域の観光振興につながるよう努めてまいりたい」との見解でした。

 
 

: 2. 平成28年第3回定例会(9月議会)

 
このときの一般質問は、前回の質問を踏まえて、観光行政全体について質問しました。メインとなるのは、江別市の地域特性を考えると、観光を物産につなげるのであれば、最終的に不動産を買って江別に住んでもらうことをゴールとするのが、江別の観光戦略であり、観光経営だろうということです。そのなかで、民間事業が主になる観光という分野において、その観光振興の推進主体をどうするのか。供用開始になり運営内容が見えてくるなか、観光案内所およびアンテナショップにおけるご意見を市内外からいただいていたので、そのことについて。観光入込客数というのが、とりわけ江別市にとって実態を測れない指標なので、そのことについて。観光における行政の役割は、長期的な展望を確保することであり、決して観光プロモーションではないため、シティプロモート部門との統合という機構改革。こうした広い範囲について、質問しています。

交流人口を定住人口につなげること、観光案内所の機能拡張、アンテナショプにおける観光と物産の分離専門化、観光の評価指標、観光振興の推進主体、シティプロモートとの部門統合。よって、この6つが質問のポイントになりました。これに対し市は、交流人口を定住人口につなげることについて、「どのような交流人口増加施策が定住人口増加に有効かを見きわめながら取り組みを進め」るとし、交流人口と定住人口をつなぐ関係人口の創出については、「人口規模、地理的条件、産業構造、交通事情など当市に類似している自治体の事例を調査し、まずは、その事業効果を検証してまいりたい」との見解。観光案内所の機能拡張については、「観光客のニーズ把握に努め、住環境情報など、発信する情報の種類、量の拡充を図ってまいりたい」との見解。アンテナショプにおける観光と物産の分離専門化については、「観光案内と各市特産品の販売のあり方につきまして、事業評価をしながら適切な運営方法を検討してまいりたい」との見解。観光の評価指標については、「観光振興に関する戦略や施策を立案する際の基礎として活用することが可能な観光入り込み客統計を利用してまいりたい」との見解。観光振興の推進主体については、「計画の実施主体及び運営主体につきましては、これから策定される計画理念に基づきまして、最も効果的に運営できる団体について、選出方法も含め検討してまいりたい」との見解。シティプロモートとの部門統合については、「市全体の政策の展開の中で、組織のあり方も含め、必要な体制整備について研究してまいりたい」との見解でした。

 
 

: 3. 平成29年第3回定例会(9月議会)

 
このときの一般質問は、過去2回質問していることもあり、根本的な部分の論点が絞られてきました。つまりそれは、市民のための観光という視点です。温泉地であれば、温泉関連施設で働く住民が多いため、観光振興それ自体が住民生活の質向上につながるだろう。農家がほとんどを占める自治体であれば、観光集客による物産の拡大を回路とした農業振興が住民生活の質向上につながるだろう。町工場が密集した自治体(墨田区の行政調査も行なったのですが、この調査は観光政策を考えるうえで、とても貴重な視点を与えてくれるものでした)であれば、観光を契機とした工業振興が住民生活の質向上につながるだろう。では、江別市の地域特性を鑑みた観光を手段とした住民生活の質向上策はなんなのか。さまざまな性質を持った江別市は、ここが重点だ!とすることはできません。産業振興(農業・商業・工業振興)も、観光の重要な役割です。ただ一方で、江別市民の就業動態を見ると、就業者の約半分が札幌市内で勤務しています。市外に通う半分以上の市民の方々にも実感が持てる観光行政を、わたしは実施する必要があると思うわけです。

市外で働く人も、市内で働く人も、自営の方々もすべて実感できる観光とは、どういうものか。それは、税収等の歳入につながる観光振興であり、その歳入を奉仕の充実として市民に還元していく施策です。しかし、税収につながりにくいのも、観光と言われています。消費税は国税で、地方消費税は道税、道からの地方消費税交付金は、その市町村で消費された金額ではなく、人口と従業者数から算出されます。市税収入の大部分は、市民税と固定資産税です。もちろん観光による経済活性化により、資本金と従業者数の拡大による法人市民税の増、所得向上による市民税の増、事業所拡大に伴う固定資産税の増も考えられます。しかしやっぱり江別の住宅地が多いという特性、札幌至近という地の利を考えると、交流人口を定住人口につなげ、市民税と固定資産税の増や地方交付税の増などによる歳入の拡大が、戦略になるのではないかと考えるのです。

しかしこのことは、前回も質問しています。江別市の観光担当は経済部のなかにあることや、総合計画において位置づけられている観光の役割を踏まえて、定住により生涯にわたる地域内消費額が増大し、産業振興と経済活性化にとっても、交流人口を定住人口につなげることは重要だ。こうした視点も用意し、質問を行ないました。切り方を変えて、既存の文脈に自分の意見を乗せるというのは、議員になる前、民間人としての提案手法。企画屋(今までいろんな仕事をしてきましたので^ ^;)の常套手段でもあります。

よって、江別市ならではの市民福祉を向上させる従来型ではない観光政策という大項目で、観光誘客を定住促進につなげる手法、市民のための観光政策。2つのポイントを質問しました。観光誘客を定住促進につなげる手法では、観光誘客を定住促進につなげることで地域経済の活発化を目指していかがとの質問に対し、待望の「観光による交流人口を拡大させ定住人口の増加へとつなげてまいりたい」との見解が示されました。これは、大きな進展だったと思います。正しい目標設定をすることは、極めて重要です。余談ですが、この次の議会(12月議会)のシティプロモートの庁内連携に関する答弁では、「観光振興計画につきましても、総合計画の個別計画として位置付ける中で、シティプロモートと相互の連携を図っていくべきもの」とされ、定住人口拡大を重点とするシティプロモート(企画政策部)との連携による観光誘客を定住促進につなげる見解が示されました。市民のための観光政策については、前述の定住人口増をゴールとし税収等の歳入を増やすことで、市民奉仕の充実を図り、市民生活の質向上を目指すことが、江別市の観光に必要なことではないかという質問を行ない、再質問で「人が集まることで、地域が潤い、地域経済の発展につながることを広く市民にPRしていく。そのようなことを現在策定中の江別市観光振興計画の中に盛り込むことも一つの方策だと考えておりまして、そのような形の対応を検討してまいりたい」との答弁がありました。この点は、粘り強く丁寧に、繰り返し主張をしていこうと思います。

 
 
というようにですね、議会質問と答弁を振り返っていたら、すごく長くなってしまいまして… これを前半としまして、現在の市の実施状況について記したのち、わたしが行き着いた江別の観光のあり方について述べるの部分は、後編にしたいと思っています。また、更新が空かないことを祈り、いや、今年じゅうの更新を目指してます!!(今日から忘年会、4連夜^ ^;)

観光地じゃない江別市からこそ、まったく新しい最先端の観光戦略ができる。観光地じゃない江別市が、なぜ観光に取り組みのかと良く言われます。しかし、観光地じゃないからこそ、わたしは江別市の観光に可能性があると思っています。観光の分野横断的な機能を生かし、固定概念に囚われず、さまざまな分野に波及効果を広めていく観光行政は、江別にこそ優位性があるものです。一方、税金を扱い行政が取り組むことには説明責任が発生しますから、その果たし方も今回の記事の内容なのだと思っています。観光で成果を上げていく提案だけでなく、どうすれば市民の方々の理解を得られるのかという点についても、引き続き提案していきます。

地方自治法では、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本と」するという、地方公共団体の役割が定義されております。観光であっても、市民からはじまり市民に還っていくという根本を見失わないようにしたいものです。
 
 
horidot

編集者議員・堀直人
http://ebetsu2.net/

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