Dec 17, 2017

江別市議会:平成29年第4回定例会(12月議会)

JR通いなので、豊幌駅の写真をよく撮ります。新雪の雪景色は、美しいですね…!

 
こんにちは、江別市議会議員の堀です。12月13日、平成29年第4回定例会が終わりましたので、今定例会のことについてまとめてみようと思います。

 
 

: 1. 一般質問

 
1. 地域と大学の連携について
(1)学生地域定着自治体連携事業の持続可能な運営について
(2)大学連携への地域おこし協力隊制度の活用について

2. 協働のまちづくりについて
(1)協働のまちづくりの推進について
(2)協働のあり方について
(3)市民協働における提案型のパイロット事業制度を設けることについて
(4)オープンデータの導入を契機とした協働のまちづくりについて
(5)市民のプロジェクトにふるさと納税を活用することについて
(6)協働のまちづくりへの地域おこし協力隊制度の活用について

3. 計画的なシティプロモートの推進について
(1)シティプロモートの課題について
(2)庁内連携について
(3)マーケティングとマネジメントの関連性について
(4)シティプロモートにおける江別市のあるべき姿について
(5)シティプロモートにおける江別市の方針や計画について
(6)20年先、30年先をも見据えた地域ブランドの形成手法について
(7)未来に向けて江別の風土と文化を育むことについて

今回の一般質問は、以上の項目です(一回目の質問の読み原稿)。質問している動画(YouTuberです笑)もありますので、お時間があるときでもご覧になってくださいね!

地域と大学の連携について、学生地域定着自治体連携事業の持続可能な運営には、「事業の効果を確かなものとするためには、継続した取り組みが必要となることから、長期的な視点で進める必要がある」との答弁があり、協力隊制度の活用に関しても、「学生地域定着自治体連携事業の方向性を定めた段階で、地域おこし協力隊活用の可能性等について検討していきたい」との答弁だったので、一定の相互理解は形成されていると把握できます。持続可能な運営というのは、ヒト・モノ・カネのマネジメント体制が構築できているのかということです。マネジメントに無理があることで、どこかに偏ってしわ寄せが行かないように観察しながら、時期が来たときに的確に対応できるよう、引き続き自分ができることを進めていきたいと思います。

協働のまちづくりについても、概ね共通認識を持てたものと感じています。特に、市民のプロジェクトにふるさと納税を活用することへの答弁ですが、「今後におきましては、こうした市民のプロジェクトに対し直接支援する事業(ふるさとふれあい推進基金や市民協働推進事業)にも、ふるさと納税を活用することを検討してまいりたい」とのことだったので、今後の展開に期待したいと思います。今回、協働のまちづくりについて質問するに至ったのは、わたしは自身でもNPOの出版社を運営しているため、市民活動団体調査アンケートに回答したことがきっかけでした。自由記述の回答を書いているうち、この回答を一般質問にすることが自分の仕事ではないかと思ったわけです。行政と市民、それぞれが得意なところを担いながら、誰かにお任せのまちづくりから、大変ではあるけれど、参加して楽しいまちづくりが図られるよう、今後も全力を尽くしていきます。

シティプロモートについては、毎年1回の定期的な質問しているだけあり、最初から比べると大きく議論が進展したことを感慨深く思います。よって、今回は行政としてなかなか答えにくい質問かなと思いましたが、あえてお尋ねしてみました。3回目まで再質問をしたのも、今回がはじめてです。よって、もう今回の質問にある観点は、行政ではない側からしばらくは進め、しばらくこういった内容の質問はいいのかなと。次回は、細かい具体的なシティプロモートの質問をしようと思います。そういう意味でも、「今年度におきましては、その(豊かな食や子育て環境など、江別市の魅力であると言われる良好な都市イメージの構築)具現化に向けたワークショップなどを計画している」との答弁があったので、このことの展開と推移を見守っていこうと思います。

庁内連携に関する答弁では、「観光振興計画につきましても、総合計画の個別計画として位置付ける中で、シティプロモートと相互の連携を図っていくべきもの」と、いただきたい答弁になって良かったです。前定例会の観光に関する一般質問で、「観光による交流人口を拡大させ定住人口の増加へとつなげてまいりたい」とされた答弁は、庁内連携によって図られるものと明確になったものです。最後、未来に向けて江別の風土と文化を育むことの答弁ですが、「市民が江別市の良さを感じ、自信をもって発信できるような風土・文化づくりの取組を土台としながら、市民協働のプロモーションを進めてまいります」とされたのは、とても奥行きのあるよいお答えだったなあと。安易で短絡的なシティプロモートに走る危険性は、江別市においては、ないであろうと印象づける答弁でした。しかし情報というものは、ただ発信すればいいものではありません。情報氾濫時代の情報は、その量ではなく質が求められる。そうした観点で、地域をデザインし、見せ方を工夫していく必要性について、次回の一般質問では伺います。

次回の定例会では、総合計画/地域内分権/社会教育/職員採用および研修/空家対策/指定管理者/歴史的建造物活用/芸術文化行政のどれか、2つ3つのテーマを選んで一般質問をしようと思います。ぜひみなさんのご質問やご意見も、お寄せいただけると助かりますので、何卒よろしくお願いいたします!

 
 

: 2. 請願陳情

 
請願第2号:「安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交替制労働の改善を求める意見書」の採択をもとめることについては、不採択(13対13のため、議長採決)。陳情第2号:江別市議会議員定数の削減を求めることについては、閉会中継続審査になりました。

請願第2号については、わたしが所属する生活福祉常任委員会に付託され、審査が行なわれました。採択すべき立場で採決に参加しましたが、判断に迷うものでした。診療報酬や介護報酬の引き上げを要求することが、どのように国財政に影響を与えるのか、そのシミュレーションを持てないからです。一方で、夜勤交替制労働の改善は必要です。市議会議員の立場で、何を論拠として判断すればいいのか。とても難しい請願でありました(市民から請願として上がった時点で、それは市の課題になります)。最終的に、地域医療に影響を与えている法に反した状態の改善要求は国に行なうべきであろうし、36協定の特別条項は、あくまで臨時的に、限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別の事情が予想される場合、従来の限度時間を超える一定の時間を延長することができるとしたもなので、この状態が恒常的になっているとしたら改善が必要であり、労働基準法の主旨に基づいた運用を求めることは妥当であろうと。そうした根拠から請願内容を判断し、採択の採決を行ないました。

陳情第2号について、これも難しいテーマです。市長は、執行が効果的に機能するために一人です。一方で、議会は議決が効果的に機能するために複数です。つまり、議会は多様性の機関であるわけです。そこで、江別市議会の常任委員会は定数9人(議長を除くため8人の委員会もある)ですが、ここから1人定員が減ると審査の視点が欠けてくることは想像に易いです。議員定数を削減することで、市民から議会および議員が遠くなるということもあるでしょう。わたしが住んでいる豊幌地区は、おおよそ20年ぶりの在住議員だそうです。30代も少ないため、わたしが選挙に出たことで、はじめて投票したという人もおりました。そうした意味では、候補の多様性が投票率向上につながりうるのです。選挙に行かないと言われるこの世代ですが、30代女性、あるいは20代の議員の必要性もあるでしょう。なぜなら議会は、多様性の機関だからです。さらに議会には、議会だよりの発行や市民と議会の集いの運営など、議会内部の業務もあります。これが、議会づくりが、議員の減少で担えるのか。議会改革先進地で有名な会津若松市議会の議員定数は30人、人口は江別市に極めて近い121,919人(平成29年11月1日現在)です。町村議会の改革度が高いのも、住民1人あたりの議員数の多さが関係なくはないでしょう。

しかしそうは言えど、このコスト(約600万円/人)を費用対効果としてお示しできないのです。たとえば、議員提案条例件数というアウトプット指標を設けたところで、数字だけつくることはできます。意味のある指標を設けるとしたら、市民の市政満足度といったものでしょうが、議会単体との因果関係を測れるものではないです。やはりこの問題は、議員が決めるのではなく、市民に決めていただくほかない。市の人口構成を反映した1000人程度の無作為抽出により審議をいただく手法しか、納得感のある結論を導き出せないように感じています。議事録にある過去の議論には、賛成と反対の双方の考え方が見て取れます。過去の一般質問には、議員の専従化および議員のボランティア化の質問(余談ですが、過去の議事録を見ていると、議会のことを市長に尋ねる質問が何回かあって驚きました)もありまして、自分も現在の議会の位置づけがどっち付かずなんじゃないかという印象を少なからず持っているので、こちらも貼っておきます。ぜひみなさまのご意見とご感想を、お聞かせいただけるとありがたいです。

 
 
次回の平成30年第1回定例会(3月議会)は、例年から見ると2月の最終週からはじまります。日程が決定しましたら、江別市議会ウェブサイト<会議日程>のページで公開されますので、ぜひチェックしてみてください。なかなかご都合がつきにくい平日日中の開催ではありますが、ぜひみなさまが議会傍聴にいらしていただけることを、心からお待ちしております!
 
 
horidot

編集者議員・堀直人
http://ebetsu2.net/

Posted in 江別, 議会No Comments » 

関連記事

Comment





Comment



CAPTCHA