平成29年第4回定例会:一般質問
堀直人
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ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問に入ります。
件名1、地域と大学の連携についてです。人口の約1割を大学生が占める文教都市江別。大学の活躍がまちづくりにおいて重要なテーマであることは論をまちません。このことが学生地域定着自治体連携事業の開始により、非常に具体的な取り組みとして進捗したと観察しているところです。この事業の継続が、中期的、長期的な大学連携を推進するものであります。そうした観点から、2項目についてお伺いします。
項目1、学生地域定着自治体連携事業の持続可能な運営についてです。この事業が盛り込まれている江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略の計画期間は平成31年度までです。計画終了が近づいており、かつ関係者が多いのもこの事業の特徴であるため、その後の運営方針について検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。先述したとおり、継続すべき取り組みと考えているため、中長期的な視点で持続可能な運営についてどのように考えられているのかお聞かせください。
項目2、大学連携への地域おこし協力隊制度の活用についてです。学生地域定着自治体連携事業は、えべつ未来戦略の戦略プロジェクト2C、雇用の創出と人材育成の支援にも寄与するものであるとともに、学生が地域に定着するための大きな要素は、学生の地元企業への就職であり、その環境整備にスピード感を持って取り組む必要があります。そこで、地域おこし協力隊制度の活用を提案したいです。
制度活用のメリットは3点です。
1点目、地域としては、新たなまちづくり人材を誘致できることです。まちづくりは、担い手が一人ふえるだけで急速に進展するものです。任務内においては、プログラムの充実、3年間トータルで考えた場合の関係者の負担軽減、新分野への取り組み開始などの効果。任務外においても、地域おこし協力隊員は地域に入り込み、一人の地域の担い手として、業務以外への活躍も期待できます。
2点目、行政としては、自由度の高い弾力的な運用ができる人材が確保できることです。公益性があり、必要性がありながらも自治体職員には取り組みにくい部分があろうかと思います。そうした部分に、地域おこし協力隊員はその特性を生かし取り組める人材として貴重です。
3点目、地域おこし協力隊としては、起業可能なテーマが存在することです。この事業の受益者は、学生、大学、企業、行政、地域コミュニティーが考えられますが、持続可能な運営には、受益者負担の枠組みをどう構築するかを構想する必要があります。岐阜県岐阜市に、特定非営利活動法人G-netという事業費規模が1億円を超える大きなNPO法人があるのですが、このNPO法人の収益構造は、インターン受け入れ先企業からの会費が柱になっています。つまり、学生地域定着自治体連携事業の今後の課題となる企業と学生のマッチングという分野は、起業のテーマにもなり得るのです。加えて、こうした社会起業、あるいはソーシャルビジネスと呼ばれるタイプの事業体は、寄附や会費、クラウドファンディングなど、受益者以外からの資金調達も可能であり、多様なセクターと連携して実施する取り組みとの親和性が高いです。
以上のとおり、地域おこし協力隊制度の趣旨にも、江別の大学連携に関する取り組み状況のタイミングにもマッチしたものであると考えますが、大学連携への当該制度活用の是非についてお伺いします。
件名2、協働のまちづくりについてです。江別市における協働は、市の最高規範である江別市自治基本条例において定義され、第6次江別市総合計画では、みんなでつくる未来のまちえべつという将来都市像を掲げ、まちづくりの基本理念として位置づけられています。こうしたことから、江別市の市政運営において、基礎的な概念が協働であると理解しているところです。それがより効果を発揮することを願い、6項目についてお聞きします。
項目1、協働のまちづくりの推進についてです。平成14年9月、市が市民協働のまちづくり推進方針を示してから15年が経過しています。この間制定された江別市自治基本条例では、市民協働の推進に関し必要な事項は、別に条例で定めるとされました。こうして江別市は協働推進に関して条例を定めるという目標を持ったわけですが、条例というのは重いものです。そこに至るためには、協働に対する機運が盛り上がり、江別市民が希求する協働のあり方が醸成されてゆく必要があるのだと私は思うのです。そのためには、呼び水が必要です。市民とともに協働をわかりやすく具体的に体系だったものへと整理していくとともに、それを通じて協働の啓発と浸透を進めてはいかがでしょうか。平成14年から時代も移ろい、社会環境も変化し、江別市における協働の考え方も進化を遂げております。もう一度、江別のあるべき協働の形をとりまとめ、明確な共通認識のもと、市民協働・市民活動を推進するための土台を固めてはいかがかと考えるものですが、お考えをお聞かせください。
項目2、協働のあり方についてです。協働のまちづくりには、市民と行政のパートナーシップを構築することが極めて重要であります。市民協働のまちづくり推進方針の2ページの図には、A:市民が主体的に活動、B:市民が主導し行政が支援、C:行政と市民が協働、D:行政が主導し市民が参加、E:行政が執行に責任を持つと5段階の整理がなされています。この概念は、パートナーシップ構築において肝要になる考え方です。協働を基礎とする江別市としては、こうした整理を事務事業の中で行い、事務事業ごとの協働の扱いについての見える化をし、市民と共通認識を形成すべきではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。
項目3、市民協働における提案型のパイロット事業制度を設けることについてです。苫小牧市では、公共サービス民間提案制度の導入を決定し、平成29年11月22日の北海道新聞朝刊には、行政にはない民間の力を貸してもらう制度、市民にさらに満足していただけるような事業を行っていきたいとの同市のコメントが掲載されております。同制度の先行事例とされる千葉県我孫子市では、平成18年3月から実施しており、平成27年までに124件の提案、103件の審査、55件の採用がなされております。提案の受け付けには例外はなく1,200近くの事務事業が対象になり、さらに公開する中で、特に提案を期待する事業という項目を用意し、官の発想による委託化から、民の提案に基づく委託・民営化への転換を図られているとのことでした。市民がまちづくりに関する意見を表明し提案する権利は、江別市自治基本条例第6条第3項で定められているものであり、それに必要な制度を整備するのは責務であります。これら先行事例のように協働の可能性を具体的に示し、市民にとってもわかりやすい情報共有・協働推進が必要ではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。
項目4、オープンデータの導入を契機とした協働のまちづくりについてです。欧米政府を中心に取り組みが進んでいるオープンデータですが、国内では福井県鯖江市が、データシティ鯖江を掲げ、2010年からデータを公開。市が公開したデータを活用し、民間がアプリを開発するなどの協働が進んでいるとのことです。江別市自治基本条例第4条には、市民自治を実現するための基本原則が定められており、同条第1号には情報共有の原則がうたわれております。こうしたことからも、市は行政データの公開を推進し、これを契機として協働と市民活動の促進を図ってはいかがかと考えるものですが、御見解をお聞かせください。
項目5、市民のプロジェクトにふるさと納税を活用することについてです。平成29年第1回定例会、市民から募集したプロジェクトにふるさと納税によるクラウドファンディングを活用することについての一般質問には、市民の創造的活動に市が支援することは、市民協働を進めていくためには重要なことと認識しているとした上で、対象となる事業の具体的な選考基準や審査の仕組みづくり、目標額を達成しなかった事業の実行性の確保など、さまざまな課題がありますことから、先進事例について調査・研究をしてまいりたいとの御答弁をいただきました。この取り組みについては、既に実施している自治体もあるため、当市ではできないということにはならないと思いますから、こちらは引き続き調査・研究していただくとして、今回は全国から寄せられたふるさと納税の活用、つまりは使い方についてお伺いしたいと思います。佐賀県のふるさと納税は、佐賀県内のNPO等を指定して寄附することを可能にしております。こうしたふるさと納税の活用方法は、資金の使用使途の明確化、ふるさと納税本来の趣旨に合った運用、寄附者の潜在層の掘り起こしなどを実現し得るものです。江別市へのふるさと納税は、寄附者がいくつかの使途から指定できるようになっておりますが、その使途の中には、協働のためにというものがあります。今年度は、学生地域定着自治体連携事業などへの活用が公表されておりますが、市民のプロジェクトに対する支援を目的とした事業には活用されておりません。寄附者の中には、市民のプロジェクトを応援したいと思われる方もいらっしゃると思います。協働のまちづくりを推進していくためにも、寄附者の思いに応えるためにも、協働のために寄せられたふるさと納税については、市民のプロジェクトを支援する事業にも活用すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
項目6、協働のまちづくりへの地域おこし協力隊制度の活用についてです。市民協働のまちづくり推進方針では、三つの推進方針を記し、具体的な推進策が例示されております。一方で、江別市の地域おこし協力隊の活動を観察するところ、行政・企業・市民の接着剤として、今までにないまちづくりの担い手になっており、言いかえれば、市民協働のまちづくり推進方針で示されている業務こそ、適性に即した任務ではないか強く思うものです。市民活動には、専従の事務局員の存在が活動の進展を大きく左右しますが、単体のNPOでは一人分の雇用をする経営基盤を持っていることはまれです。裏を返すと、およそ個人タクシーの配車センターのようなイメージで、複数のNPOの事務局になるという起業テーマが存在します。こうした社会起業はすぐに黒字化するものではありません。しかし、3年間協働推進の任務につきながら、起業の下地をつくることは、その困難を乗り越え得るものです。以上のとおり、協働領域への当該制度の活用は理にかなっていると考えるものですが、御見解をお聞かせください。
件名3、計画的なシティプロモートの推進についてです。志は大きく、取り組みは小さく。長きにわたる事業を始めるとき、目線は遠くを見据えながら、足はしっかりと地につけて一歩ずつ進んでいく必要があります。とりわけシティプロモートという競争においては、人が納得できる戦略と人の心をつかむ志が求められます。そうしたことから、今回は短期的、中期的、長期的という順番で、7項目についてお伺いしたいと思います。
項目1、シティプロモートの課題についてです。江別シティプロモート推進協議会の平成28年度活動方針には、まちの機能を正しく伝える取り組み、市民の共感を広げ、協働によるプロモーション活動を促進する取り組み、まちのイメージづくりに貢献する取り組みが挙げられております。その方針のもと、取り組みを重ねた結果、平成29年度はどのような課題認識を持ち、現在どのような方針をお持ちなのかお聞かせください。
項目2、庁内連携についてです。あらゆる市の事業がシティプロモートのもとです。各部局でもさまざま情報発信や普及啓発を実施しており、そうした取り組みにシティプロモート担当のノウハウを提供することは、自治体経営の能率を高めるものです。さらに観光領域では、江別市観光振興計画案が経済建設常任委員会で報告されましたが、食やプロモーションなど、シティプロモートと重なるところが多いです。これらがばらばらにプロモーションされますと、市民にとっても、市外で江別に関心を持たれた方にもわかりにくいです。情報発信が錯綜しないように、推進においても工夫が必要です。多角的な観点から見ても、シティプロモートの推進には、極めて庁内連携は重要です。言いかえれば、庁内連携の促進がなされると、施策が効果的に展開されるということです。観光振興で情報接触した人が、観光以外の江別の魅力を知る。観光振興で生まれた人の流れが、より密な関係になる。そのような可能性が庁内連携にはあります。この可能性をより確固たるものにするための取り組みについて、どのようなものが考えられるかお聞かせください。
項目3、マーケティングとマネジメントの関連性についてです。マーケティングの重要性については、平成28年第3回定例会の一般質問において、シティプロモーション活動においては、提供する価値を最も必要とするターゲットに絞り込んで、最大の効果を上げるプロセスとしまして、マーケティングの考え方を取り入れることについては、その必要性を認識しているとの御答弁をいただいており、共通認識が形成されつつあると感じているところです。自治体におけるマーケティングの必要性はますます高くなっていくものであり、今後ともよりきめ細やかなマーケティングの実施が求められます。一方で、マーケティングの重要性を主張してきた立場として、みずからに視点が足りていなかったことを反省しているのですが、マーケティングが成功し、シティプロモーションの効果が発揮され、子育て世代の転入が急進的に増加した場合は、市の人口ピラミットに偏りが生じ、後世に課題を残すおそれもはらんでいるようにも思えるのです。長期的な都市経営について、御見解をお聞かせください。
項目4、シティプロモートにおける江別市のあるべき姿についてです。シティプロモートを推進することは、我々のまちは何者なのかという問いにやがて到達します。なぜなら、我々が何者か、我々自身がわからなければ、他者に売り込むことができないからです。この江別とは何かという問いに対して、人がわくわくするようなストーリーを描くことが、短絡的ではないシティプロモートの推進に欠かせません。プロモーションのポリシーを携え、そのポリシーが守られていくことでブランドという名の信頼を獲得し、その足跡がストーリーになるのです。そのためには、どうありたいのか、なりたい姿は何なのかという将来の夢を持ち、それに向かっていくという決意を抱かなければなりません。食も住環境も魅力的です。それら江別の魅力全てが輝けるストーリーを描くとき、いきいきと動ける役者はどんな性格なのか。そうしたシティプロモートにおける江別市のあるべき姿を醸成していくべき時期に差しかかっていると観察するところですが、お考えをお聞かせください。
項目5、シティプロモートにおける江別市の方針や計画についてです。市としての方針や計画がなく、協議会の活動方針はあるものの、断片的なものにとどまっております。シティプロモートはわかりにくいものです。何でやっているのか、どういう方向性なのかなど、広く理解を深めていくためにも、体系的な整理と今後の方針を示し、江別市のシティプロモートについてのあり方を共有できる参照点が必要な時期に来ていると感じております。シティプロモートの推進には、ミッションの共有が欠かせません。方針や計画を策定することについて、お考えをお聞かせください。
項目6、20年先、30年先をも見据えた地域ブランドの形成手法についてです。平成28年第3回定例会でも、地域ブランドは、20年、30年続いていくよう育てていかなければならないものと考えているとお答えいただきましたが、これを具体的にどうやって、誰がやるのかということです。これはみんなで、まさしく協働で取り組んでいくもので、行政がやらなければならない部分もあるでしょうし、制度で市民の活動を支え守っていくのも行政の仕事でしょう。地域ブランドが、20年、30年続いていくために行政はどんなことができるか、想定できる具体的な手法についてお答えいただきたいと思います。
項目7、未来に向けて江別の風土と文化を育むことについてです。ジャン・ジャック・ルソーは、教育の原点は、食べることを通じて自己保存できる知恵を学ぶことだと述べているそうです。例えば、江別の食、グルメだけでなく、教育でもあり、文化でもあるのです。私たちが、江別で育ち、生きていく限りずっと江別の食に触れていきます。江別の風土から生まれたものが文化となって、伝承されていくのです。子孫に残したい江別の食、子孫に残したい江別の風景、子孫に残したい江別の豊かな日常、こうした私たちが大事にしているものが、結局のところ、シティプロモートの原点になるのです。風土というのは、気候や地勢など自然環境だけではなく、人間の文化形成などに影響を与える精神的な環境も指すものです。良質な文化を形成する精神、そこから生まれた子孫に残していくべきもの、こうしたシティプロモートの根っこの部分をいかに育んでいくのかについて、お考えをお聞かせください。
以上、私からの1回目の質問でした。
三好昇市長
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堀議員の一般質問にお答え申し上げます。
計画的なシティプロモートの推進に関連しまして、シティプロモートにおける江別市のあるべき姿についてでありますが、シティプロモートはえべつ未来づくりビジョンを実現するために、5年間で重点的・集中的に取り組む未来戦略の一つとして位置づけられております。えべつ未来づくりビジョンが目指している誰もが暮らしやすいまち、住んでみたいと思ってもらえる魅力あるまちを実現することが、江別市の目指すべき姿であるとの認識のもとに、人口の転出抑制、転入促進につなげる各種施策を推進しているところでございます。その成果については、第6次江別市総合計画の前期5カ年の結果を検証していく必要があるものと考えておりますことから、引き続き目指すまちづくりの実現に向けまして、市民や企業と行政が一体となり、江別市の魅力を発信し、定住人口や交流人口の増加を図るシティプロモートを推進してまいりたいと考えております。
次に、シティプロモートにおける江別市の方針や計画についてでございます。第6次江別市総合計画えべつ未来づくりビジョンの未来戦略に位置づけられているえべつの魅力発信シティプロモートでは、市民や企業等と一体的に市の取り組みや魅力を情報発信することを目指しており、そのために設立された江別シティプロモート推進協議会は、江別市のシティプロモートの軸となる組織であると考えております。江別シティプロモート推進協議会は、未来戦略に基づくシティプロモーション活動の推進のために、具体的なプランや事業展開について協議等を行うことを目的としておりますことから、市といたしましても、協議会の一員として政策の提案を行っていくとともに、協議会での論議を踏まえた活動方針を、市と協議会で共有しながら、総合計画の推進に向けたシティプロモートを進めてまいりたいと考えております。
次に、20年先、30年先をも見据えた地域ブランドの形成手法についてでございますが、地域ブランドの形成を定住人口の増加につなげていくためには、地域ブランドの存在により、江別市そのものに興味を持ってもらえるような効果的なPRの手法を工夫しながら、ブランド構築を進めていく必要があると考えております。現在、観光プロモーションや農産物のブランド化など、さまざまな取り組みにおきまして、江別市の魅力を発信しており、特にシティプロモートにおきましては、市民や企業、行政が一体となった市民協働のプロモーションに取り組んでいるところでございます。こうした動きを20年、30年と継続していく中で、市内外に江別市のさまざまな魅力が認知され、その中から地域ブランドと呼ばれるものが構築されていくものと考えております。現在、野幌原始林や、小麦、れんがなどが、江別市のイメージとして市内外に定着してきているところでございますが、今後も多様な江別市の魅力から地域ブランドの構築につながっていくよう、引き続き、江別市の自然、歴史・文化、食、観光地、特産品、産業などの魅力発信を継続しまして、江別シティプロモート推進協議会とともに連携しながら効果的なPRなどに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、未来に向けて江別の風土と文化を育むことについてでありますが、シティプロモートにおきましては、市内外に対して江別の魅力をアピールするだけでなく、市民みずからがまちの魅力を実感し、共通認識とすることが重要と考えております。市では、これまでも小・中学校において、江別産の野菜や小麦などの高品質な農産物や加工食品に触れる機会を設けたり、市民みずからが江別全体の魅力を発信するまるごと江別の実施、江別の焼き物文化に触れるえべつやきもの市の開催などによりまして、市民が江別市のさまざまな魅力を実感するような機会の創出を図ってきたほか、住みよい生活環境や自然環境によりまして、豊かな日常を実感できるまちづくりに努めてきたところでございます。今後のシティプロモートにおきましても、市民が江別市のよさを感じ、自信を持って発信できるような風土・文化づくりの取り組みを土台としながら、市民協働のプロモーションを進めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、企画政策部長ほかをもってお答え申し上げます。
北川裕治企画政策部長
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私からは、地域と大学の連携について御答弁申し上げます。
まず、学生地域定着自治体連携事業の持続可能な運営についてでありますが、学生地域定着自治体連携事業は、江別市・大学・江別商工会議所による包括連携・協力に関する協定の趣旨に基づき、江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略の主要な事業として、空知管内の7自治体と連携し、市内4大学の学生を、江別市を含む連携地域に定着させる仕組みをつくるため、平成27年度から実施しております。本格実施となった平成28年度におきましては、地域イベントへの参画や地域課題に向き合うワークショップ、地域企業でのインターンシップなど67に及ぶ地域活動プログラムを実施し、延べ825名の学生が参加したところであります。本年度におきましても、10月までの7カ月間で約50の地域活動プログラムを実施し、延べ650名の学生が参加しており、また、江別市及び赤平市において企業への内定者も出るなど、事業は順調に推進されているものと認識しております。さらに、事業の効果を確かなものとするためには、継続した取り組みが必要となることから、長期的な視点で進める必要があると考えております。いずれにいたしましても、御質問にもありますように、まち・ひと・しごと創生総合戦略は、現在、5カ年計画の3年目でありますことから、今後の地方創生に対する国の動向を注視するとともに、学生地域定着自治体連携事業につきましても、最終年次までの状況を踏まえながら、大学、企業、連携自治体による事業の評価を勘案した上で、運営手法を含めたその後の方向性について定めたいと考えております。
次に、大学連携への地域おこし協力隊制度の活用についてでありますが、地域おこし協力隊については、札幌市など大都市から人材を積極的に呼び込み、その定住及び定着を促進することで地域の活力の維持と向上を図ることを目的に、平成28年度から導入したもので、任用期間につきましては、最大3年となっております。一方、学生地域定着自治体連携事業は、江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略の主要な事業として、現在、5カ年計画の3年目に当たり、今後、最終年次までの状況を踏まえて、その後の方向性を定める予定であります。御質問の地域おこし協力隊を学生地域定着自治体連携事業へ活用することは、事業に携わった隊員にとって、将来の起業へ向けた有効な足がかりになり得るとも認識しておりますことから、学生地域定着自治体連携事業の方向性を定めた段階で、地域おこし協力隊活用の可能性等について検討していきたいと考えております。以上でございます。
高橋孝也生活環境部長
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私から、協働のまちづくりについてのうち、協働のまちづくりの推進について御答弁申し上げます。
平成14年に策定した市民協働のまちづくり推進方針は、当時、協働という考えが社会的に広がりを見せ始めたのを機に、協働の考え方や協働のまちづくりが必要な理由、協働の取り組みの状況、今後の方向性などについてまとめたものでございます。その後、この市民協働のまちづくり推進方針を踏まえ、平成21年に江別市自治基本条例を制定し、協働は、基本原則の一つとして定められたところでございます。また、江別市自治基本条例制定後、初めての総合計画として策定したえべつ未来づくりビジョンにおきましても、協働のまちづくりをその基本理念の根幹に置いているところでございます。協働の推進につきましては、昨年度実施いたしました江別市自治基本条例の見直し作業において、江別市自治基本条例検討委員会より、協働についての市民意識の高揚に向けた取り組みを一層進めていくよう提言をいただいたところであります。市民協働のまちづくり推進方針につきましては、策定から15年が経過する中で、この推進方針に基づき、江別市自治基本条例が制定されるなど、当時の社会環境や協働に関する取り組み状況も変化しておりますことから、今後の位置づけについて検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、江別市自治基本条例検討委員会からの御指摘を踏まえ、まずは、市民の皆様の協働に関する意識の高揚が図られることが重要と考えておりますことから、協働に関する考え方をわかりやすくお知らせする冊子を作成するなど、啓発に努めてまいります。以上であります。
北川裕治企画政策部長
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私からは、協働のあり方について御答弁申し上げます。
協働のまちづくりについては、第6次江別市総合計画のえべつ未来戦略に掲げ、多様な主体がそれぞれ社会の担い手であるという意識を持って、ともにまちづくりに取り組めるよう、市は環境づくりや仕組みづくりに重点的に取り組んでいるところでございます。こうしたことを踏まえ、事務事業については、毎年度行う事務事業評価の中で、事業内容や進め方などについて評価を行っており、協働で行うべきものなどについても、個別に検討を行っているところでございます。市といたしましては、協働して実施すべき事業について、市民協働のまちづくり推進方針などを参考にしながら、全体的な把握を行う必要があると考えております。いずれにいたしましても、協働を取り入れることは、市民協働のまちづくりを推進していく上で、重要であると考えますことから、まずは、協働して事業を実施すべきものについて、整理してまいりたいと考えております。以上です。
高橋孝也生活環境部長
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私から、市民協働における提案型のパイロット事業制度を設けることについて御答弁申し上げます。
各団体と市の協働を進めるため、協働のノウハウの習得や実践を通じた相互理解の推進を目的とする試験的な事業、いわゆるパイロット事業には、一般的に、あらかじめ市が提示する課題やテーマを解決できる取り組みを公募する行政提案型と、分野を問わず、社会的課題の解決のための取り組みを公募する自由提案型があると言われております。
当市においては、自由提案型により、地域課題などの解決や既存の公共的な取り組みのさらなる充実に向けた活動を支援する協働のまちづくり活動支援事業を実施しており、採択された取り組みの中には、市内の小学校に出向き、ごみの減量や出し方などをゲーム形式で学ぶ買い物ゲームが市の事業として現在も継続しているところでございます。
また、行政提案型の取り組みといたしましては、大学連携の一環で行っている補助事業において、あらかじめ市が今後のまちづくりに必要なテーマを提示し、その研究などに対して支援しているところでございます。市といたしましては、これらの協働に関する支援制度につきまして、現在の第6次江別市総合計画に基づくえべつ未来戦略の計画期間中は、現行の取り組みを継続してまいりたいと考えております。以上であります。
齊藤俊彦総務部長
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私から、2項目続けて御答弁申し上げます。
まず、オープンデータの導入を契機とした協働のまちづくりについてでありますが、オープンデータとは、新ビジネス・新サービス創出を促進するため、公的機関が保有するデータについて、一定の利用に関するルールのもと、自由な編集・加工等を認め、インターネットで公開する取り組みとして、国が進めているものであります。現在、オープンデータの公開に取り組んでいる自治体は、本年2月時点では333で、全体の約19%という状況にあり、こうした先進自治体では、公開したイベント情報や人口に関するデータを加工・活用している事例もありますが、既存のインターネット上や各種メールサービス等で類似した情報提供を受けられるものが多く、自治体が提供できるデータと利用者が提供を希望するデータとの間に乖離のある状況となっております。当市におきましては、市のホームページ上で各種統計情報を、エクセルやPDFのファイル形式で公開している状況であり、市のオープンデータの取り扱いにつきましては、引き続き、国と他市町村における取り組み状況や、データの活用事例などを調査する中で研究してまいりたいと考えております。
次に、市民のプロジェクトにふるさと納税を活用することについてでありますが、市ではふるさと納税を活用する事業を公表した上で、寄附者からふるさと納税の申し込みを受けるに当たっては、第6次江別市総合計画に掲げる9つのまちづくり政策の中から使途を指定いただいております。今年度におきましては、使途を協働のためにと指定されたふるさと納税は、市内大学に通う学生の地域活動参加を支援する学生地域定着自治体連携事業などに活用させていただくこととしております。一方、市では、市民の創造的活動に市が支援することは、市民協働を進めていくために重要なことであるとの考えのもと、ふるさとふれあい推進基金の活用や市民協働推進事業などを通じ、市民のプロジェクトに対し直接支援しております。今後におきましては、こうした市民のプロジェクトに対し直接支援する事業にも、ふるさと納税を活用することを検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
高橋孝也生活環境部長
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私から、協働のまちづくりへの地域おこし協力隊制度の活用について御答弁申し上げます。
市では、これまで市民協働のまちづくり推進方針や、この方針の趣旨を踏まえ制定された江別市自治基本条例、さらには第6次江別市総合計画に基づくえべつ未来戦略などに基づき、協働によるまちづくりの推進に関するさまざまな事業を展開してきたところでございます。行政・企業・市民の間の調整役としては、現在、江別市民活動センター・あいが市民や各団体の中間に立ち、意見や要望などの調整を行うほか、各団体の活動に必要な情報を提供するなどの支援を行う、いわゆる中間支援団体の役割を担っているところでございます。市が取り組む協働事業への地域おこし協力隊の活用につきましては、隊員が担当し得る業務の範囲や、必要な知識、経験を備える人材の確保などの課題もありますことから、他自治体の事例も含め、調査・研究してまいりたいと考えております。以上であります。
北川裕治企画政策部長
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私から、計画的なシティプロモートの推進についてのうち3件について、御答弁申し上げます。
初めに、シティプロモートの課題についてでありますが、江別市におけるシティプロモートにつきましては、第6次江別市総合計画えべつ未来づくりビジョンの未来戦略の一つとして、えべつの魅力発信シティプロモートを掲げるとともに、江別シティプロモート推進協議会を立ち上げ、市民と行政が一体となってプロモーション活動に取り組んでいるところであります。江別シティプロモート推進協議会においては、これまでの論議を踏まえ、平成29年度の方向性として、江別市の持つ多様な魅力やイメージをさまざまなターゲットにどのように届けるかを課題として捉えていることから、まちのイメージづくりに寄与する取り組みとして、豊かな食や子育て環境など、江別市の魅力であると言われる良好な都市イメージの構築に重点を置いて活動する方針とし、そのため今年度におきましては、その具現化に向けたワークショップなどを計画しているところであります。市といたしましても、江別シティプロモート推進協議会の論議を踏まえ、主に札幌圏の子育て世代をターゲットとし、食を核とした住環境のよさを知ってもらうことをプロモーションの軸に据えて取り組んでいるところであります。
次に、庁内連携についてでありますが、シティプロモートは第6次江別市総合計画えべつ未来づくりビジョンの未来戦略として位置づけられ、各戦略や個別計画と相互に連携しながら進めていくものであり、全庁的な連携が重要であると考えております。今年度開始した子育てアプリに関する市民ブロガーを対象とした説明会の開催や、4月にオープンした都市と農村の交流センターえみくるを有効活用した市外からのバスツアーなどにおいて、所管課と密に連携・連絡をとりながら実施してきたところであります。現在策定中の江別市観光振興計画につきましても、第6次江別市総合計画の個別計画として位置づける中で、シティプロモートと相互の連携を図っていくべきものと考えております。今後におきましても、これまで同様、各戦略や個別計画による施策展開を踏まえながら、相乗効果が高まっていくような庁内連携に取り組んでまいります。
次に、マーケティングとマネジメントの関連性についてでありますが、第6次江別市総合計画えべつ未来づくりビジョンや、江別版地方創生総合戦略では、江別市の人口動向などを踏まえ、人口を維持することがこれまで築いてきた基盤や仕組みを生かすことにつながるという考え方に立ち、子育て世代を中心とした生産年齢人口の転入促進による社会増を目指して、各種施策を推進することとしております。このような総合計画などの考え方に基づき、子育て世代の転入を一層促進するため、子供を産み育てやすい仕組みや環境を充実するなど、定住環境を高める政策を総合的に進めているところであり、シティプロモートにつきましても、こうした政策マネジメントのもとで、子育て世代を主要なターゲットとしてプロモーションを展開しているところであります。今後におきましても、子育て世代への満足度を高める政策を展開しつつ、転入促進に向けた各種取り組みを進めてまいります。以上であります。
堀直人
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それでは、2回目の質問に入らせていただきます。
件名1、地域と大学の連携についてですが、持続可能な運営については、事業の効果を確かなものとするためには、継続した取り組みが必要になることから、長期的な視点で進める必要があるとお答えいただき、地域おこし協力隊制度については、学生地域定着自治体連携事業の方向性を定めた段階で、地域おこし協力隊活用の可能性等について検討していきたいとお答えいただいたので、経過を見守っていこうと思います。ぜひ事業及び取り組みに切れ目がないようにということと、運営リソース等の充実に努めていただくことを要望します。
件名2、協働のまちづくりについてです。項目1、協働のまちづくりの推進についてですが、市民協働のまちづくり推進方針について、今後の位置づけを検討していくということ、協働に対する機運の醸成に関しては、わかりやすい啓発をしていくということがわかりましたので、着実に条例制定という目標に向けて進んでいっていただけたらと思っております。市民協働のまちづくり推進方針の位置づけを検討していく際には、ぜひ市民を巻き込んで、一緒になって考え、まとめ上げていただくことこそ、何よりの啓発だと思いますので、その点についても、よろしくお願いいたします。
項目2、協働のあり方について再質問いたします。質問では、協働の色合いを整理することが肝要であると述べさせていただきました。なぜなら、市民が主体的に活動ということであれば、市民の自主事業。市民が主導し行政が支援ということであれば、市民活動への支援。行政と市民が協働ということであれば、公民連携のような協働事業。行政が主導し市民が参加ということであれば、委託や指定管理。行政が執行に責任を持つということであれば、行政直営というように仕分けることで、協働のイメージがわかりやすく共有できるからです。協働して事業を実施すべきものについて、整理してまいりたいとの御答弁をいただきましたが、市民協働のまちづくり推進方針が策定されてからこの間、全国の自治体でさまざまな先行事例が生まれていると思うので、そうしたことも参考にしながら、協働の性格を明らかにし、仕分けをした上で、協働のあり方を体系立てて整理していただきたいと思うものですが、この点についてお考えをお聞かせください。
北川裕治企画政策部長
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再質問に御答弁申し上げます。
先行事例を参考に、体系立てて整理することについての御質問でありますが、事務事業には、協働により取り組むべき分野から、行政が責任を持ち取り組むべき分野まで、幅広いものが含まれております。したがいまして、協働して実施すべき事務事業については、各事業の内容や進め方を検討し、全体的な把握を行う必要があると考えております。また、事務事業の整理の具体的な手法についてでありますが、市民協働のまちづくり推進方針の中で、市民協働まちづくりの活動範囲としてお示ししました5段階で仕分けを行う事例を含め、他の自治体の取り組みも参考に、今後整理してまいりたいと考えております。以上でございます
堀直人
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今の御答弁で、認識を共有し、協働のあり方について整理していただいたと捉えました。協働を性格ごとに仕分け、あり方の体系立った整理を進め、それぞれの性格ごとの協働を充実させることで、協働のまちづくりを推進していただけたらと思います。
次に、項目3、市民協働における提案型のパイロット事業制度を設けることについて、再質問いたします。答弁で示していただいた取り組みはよいものなので、引き続き市の事業に生かせるよう努めていただけたらと思います。そこで、今回の質問の趣旨は、官の発想ではなく、民の発想による委託・民営化への転換です。もちろん、官が悪くて民がよいという二者択一の話ではなく、行政が取り入れた委託化は進んでいる。ここに市民の発想による委託化等の提案があったとき、そういう視点、そういう発想があったかという気づきを得られることがあるのだろうということです。また、それを市は否定するものではないでしょうし、むしろ歓迎することが協働のまちづくりだと思うものです。えべつ未来戦略の計画期間中は、現行の取り組みを継続してまいりたいという考えも理解しているところなので、ぜひ第6次江別市総合計画の後期、それに基づく5年間の重点戦略の策定過程の中では、市のあらゆる事務事業に対して市民から提案いただけるように門戸を開き、民の発想による委託・民営化を取り入れることができる環境や制度の整備について、先行事例を参考にしながら検討していただきたいと思うものですが、その可能性についてお答えいただきたいと思います。
高橋孝也生活環境部長
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市民協働における提案型のパイロット事業制度を設けることについての再質問に御答弁申し上げます。
市が実施する事業には、委託や補助など、市民と協働して取り組んでいるものも多く、これらにつきましては、PDCAサイクルに基づき、市民との協働という視点も含め、定期的な評価や評価内容に基づく改善などを行っているところであります。御質問の民間の発想による委託や民営化ができる事業の整備につきましては、協働して実施が可能な事業について、全体的な把握と整理を行いながら、市民にとってよりわかりやすくする方法を工夫するなど、第6次江別市総合計画の一連の見直し作業に合わせて検討してまいりたいと考えております。以上であります。
堀直人
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ぜひ市民の創造的活動を育て、市民自治の機会を拡大することが、これからの時代の地域経営に欠かせないものですので、より一層の取り組みを期待します。
項目4、オープンデータの導入を契機とした協働のまちづくりについて再質問いたします。御答弁ですが、国と他市町村における取り組み状況や、データの活用事例などを調査する中で研究してまいりたいとのことでした。そこで、過去にオープンデータに関して、どのような答弁がなされているのか調べてみたところ、平成25年第2回定例会の角田議員の一般質問に対して、オープンガバメントに対する評価を新たなサービスの創造につながるものとして有用であると評価しているとした上で、どういったデータの公開を行っていくのか、また、その手法についても、引き続き国や先進自治体の動向などを注視しまして検討してまいりたいとの御答弁。平成27年第2回定例会の角田議員の一般質問に対して、他市町村の活用状況などについても調査・研究してまいりたいとの御答弁。しかも、平成25年の角田議員の一般質問では、私が挙げた福井県鯖江市の事例がより詳細に引かれていまして、そこから4年以上が経過しながら同じような御答弁というのは、率直な感想を申し上げると、どのような調査・研究だったのか不思議に思っております。そこで、再び福井県鯖江市のウェブサイトを見ましたところ、自治体の皆さんへという項目があります。ここを読んでいきますと、福井県鯖江市の取り組みで、自治体の皆さんの参考になることがあれば、全てオープンにしたいと思っております。いつでもメール、電話でお願いしますと書かれております。こうした申し出をありがたく受け取り、検討・導入に向けた調査・研究をしていただきたいのですが、このことについてお考えをお聞かせください。
齊藤俊彦総務部長
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オープンデータの導入に向けた研究についての再質問に御答弁申し上げます。
これまで、オープンデータに関しましては、国や先進自治体の活用事例等を調査・研究し、導入の可能性について検討してまいりました。先ほども御答弁申し上げましたとおり、現状では、自治体が提供できるデータの多くは、既存のインターネット上や各種メールサービス等で類似した情報提供が得られるものとなっており、オープンデータの活用状況が、新ビジネス・新サービスの創出にまで至っている事例は少ないものと認識しております。今後、オープンデータの取り組みにつきましては、さらなる活用事例等も出てくると思われますので、引き続き、福井県鯖江市を含め、先進市の事例など、調査・研究を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
堀直人
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オープンデータの活用については、率先して取り組んでいただきたいという気持ちです。事例で挙げました福井県鯖江市では、市の職員を交えたハッカソンをやっていたりと、こうした取り組みが協働のまちづくりの推進の契機になるばかりか、ICTによる地域課題解決、オープンな気風という江別のイメージづくりなど、さまざまな波及効果が期待できます。先ほどの福井県鯖江市のウエブサイトには、鯖江市でもできた一歩、難しくはありませんと書かれております。ぜひ導入に向けて取り組んでいただきたいと思います。
項目5、市民のプロジェクトにふるさと納税を活用することについてですが、朝にいつも北海道新聞の江別版を見ていますと、毎日と言っていいほどに、さまざまな市民のプロジェクトがあります。これら市民の公共的・創造的な活動を、大事なものとしてどのように守っていくのかという思いがあります。私の発想にはありませんでしたが、新規の事業をふやさず、ふるさと納税を既存事業と組み合わせることで目的を達成しようという手法は、洗練されており評価されるものであろうと。始め方としては、まず一旦このやり方でよいと思った次第です。今後は、ふるさとふれあい推進基金や市民協働推進事業を知らない人、その情報にたどり着かない人をどうするかです。事業効果が確認された時点で、どう展開させていくのかという課題があらわれると思いますので、そのことについても、お考えいただけたらと思っております。いずれにしても、財源があってできることだと思いますので、これからの推移を見守りながら、機を見てまたお尋ねしたいと思います。
項目6、協働のまちづくりへの地域おこし協力隊制度の活用についてですが、中間支援団体及び市民活動をされている方々の御苦労は、重々承知しているところであります。本当に滅私奉公で奮闘されています。もう少し時間があれば、ここに資金があれば、そういうことができる場所があれば、小さくてもきめ細やかな支援があれば、活動されている方々のアイデアが形になる。こうしたことを、何とかして実現できないものであろうか。そうした思いで、今回は地域おこし協力隊制度の活用について提案させていただきました。この件も含めまして、今後も市民活動の伴走者として、市民活動をバックアップするためのあらゆる可能性を検討していただきたいと思います。
件名3、計画的なシティプロモートの推進についてです。項目1、シティプロモートの課題についてですが、御答弁の課題は強みでもあります。多様な魅力があるから、多様なターゲットにアプローチできる。こうした江別市だからこそできるシティプロモートを具現化する手法が求められるのだろうと、私も思っているところです。そうした意味でも、専門性の確保、市民参加・担い手の拡大も課題です。計画されているワークショップの取り組みを重ねることで、専門性の確保、市民参加・担い手の拡大という課題についても適応できる体制が形成されていくことを期待します。
項目2、庁内連携についてですが、前定例会の観光に関する一般質問で、観光による交流人口を拡大させ定住人口の増加へとつなげてまいりたいとの御答弁をいただきました。そして今回は、江別市観光振興計画についても、第6次江別市総合計画の個別計画として位置づける中で、シティプロモートと相互の連携を図っていくべきものと御答弁いただいたことから、観光によって生まれた交流人口を定住人口につなげていくという取り組みは、庁内連携でなされていくものと安堵いたしました。分野横断的なシティプロモートの特性を生かし、一層の庁内連携を進めていただきたいと思います。
項目3、マーケティングとマネジメントの関連性についてですが、江別市は1955年から50年間で、約9万人の人口がふえました。そのときも子育て世代が多く転入したのでしょう。時が過ぎ、その人口動向に端を発し、高齢社会や空き家の発生などの課題が生まれています。このことは、半世紀前にもある程度予測できたことであろうと思うのです。そうならないよう長期的視点によるマネジメントと、スピーディーなマーケティングの両輪で、シティプロモートを進めていただけたらと思います。
項目4、シティプロモートにおける江別市のあるべき姿についてですが、再質問いたします。御答弁いただいた目指す姿は、総合計画にも書かれており、当たり前のことです。言いかえれば、この当たり前を地道に積み重ね、追求し、実現したことをプロモーションするのだと捉えるとすれば、地に足のついた江別市らしいシティプロモートであるようにも思えます。日本郵政グループのスローガンではないですが、ぜひ江別ならではの新しい普通が見たいものです。一方で、この項目の質問趣旨は、シティプロモートにおける江別市のあるべき姿についてです。シティプロモートですから、そのあり方というのは見せ方でもあります。よって、江別市にとっての誰もが暮らしやすいまち、住んでみたいと思ってもらえる魅力あるまちというのは、具体的に何なのか。江別が持っている固有の雰囲気であり、さまざまな要素を背景に江別が持っている様相は何なのか。これを明確化していくことが、シティプロモート分野の取り組みには必要と考えるものですが、お考えをお聞かせください。
三好昇市長
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シティプロモートにおける江別市のあるべき姿についての再質問でありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、えべつ未来づくりビジョンが目指しておりますのは、誰もが暮らしやすいまち、住んでみたいと思ってもらえる魅力あるまちを実現することが、江別市の目指すべき姿であると考えておりまして、江別シティプロモート推進協議会での論議におきましても、江別の充実した都市機能や豊かな自然など、住みよさが江別市の魅力であると認識されておりますことから、市といたしましても、住みよさを向上させるための各種施策を推進しながら、シティプロモートにおきましてもその魅力を発信していきたいと、このように思っております。したがいまして、江別市のあるべき姿と言いますのは、都市機能や豊かな自然、住みよさが江別の魅力であるということですから、それを推進してまいりたいと考えております。
堀直人
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このことはもう少し深めたいので、改めてお聞きいたします。
たびたび引いている東川町ですが、行かれたことがある方も多いと思います。とても雰囲気のよいまちです。しかし、旭岳へのまなざしは、私にとっては長期滞在していたキトウシ山を越えた旭川市の集落を視点場としたものが最善ですし、比布町では、世界一大雪山がきれいに見える町と掲げており、どこもそれぞれ美しいのです。ただ、その見せ方、全ての魅力を包含できる写真のまちというコンセプトワーク、それらデザイン力において、東川町が抜きん出ているわけです。冷静に観察すると、江別市と比べ物にならない絶景を持ったまちなのかと言えば、そうではないのです。東川町に劣らない、江別市にだって美しい風景はあるでしょうし、どこのまちにだってあるのです。江別市が持つ素材を的確にデザインすることで、ブランドは育っていきます。そして、デザインは設計であります。こうしたことは、みんなで考えていたら、ぼんやりしたものになってしまって伝わりません。最後に、お聞きします。もちろん、取り組みの初動段階でデザインを押しつけても浸透しないものです。しかし、先を見据える重要性からお尋ねします。江別市の取り組みが進展した後、ある段階においては、江別の地域素材をデザインし、シティプロモートでは、このように江別全体を見せたいという様相をまとめ上げていく必要が出てくる可能性について、御見解をお聞かせください。
三好昇市長
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江別全体をどのようにまとめ上げていくかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、充実した都市機能や豊かな自然など、住みよさが江別市の魅力であると思ってございまして、江別には複眼的な、非常に多種多様な魅力が存在しております。都市機能や自然のほかにも、食や農産物の魅力、子供の遊び場、さらには学校の学習環境など、住みよさにつながる多種多様な魅力があること、そのもの自体が江別市の大きな特色であり、また魅力であろうと思っております。このような江別市の魅力を、シティプロモートによりまして効果的に発信していくことが、今問われているわけでございまして、発信をして、先ほど申し上げた誰もが暮らしやすいまち、住んでみたいと思ってもらえるような魅力あるまちを目指していくこと、それが大事だと思っております。
堀直人
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項目5、シティプロモートにおける江別市の方針や計画についてですが、再質問いたします。この項目でこのような質問をしたのは、一般には何をやっているのかわかりにくいこと、情報発信の統一性がなく、どれが正確な情報なのかわかりにくいことからです。もちろん江別シティプロモート推進協議会や市民の自発的な情報発信であれば、それで構いません。しかし、行政が総合計画の推進に向けて実施することが、果たしてそれでよいのだろうかということです。江別シティプロモート推進協議会は、江別市のシティプロモートの軸となる組織であることはわかっております。市民や企業等と一体的に、市の取り組みや魅力を情報発信することを目指していることもわかっております。それであれば、協議会やさまざま市民、企業と一緒になって、項目1でお答えいただいたワークショップなどを通じて、体系的な整理と今後の方向性を示した方針や計画を策定されてはいかがかと考えるものですが、お考えをお聞かせください。
三好昇市長
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シティプロモートにおける江別市の方針や計画についてでございますが、市といたしましては、江別シティプロモート推進協議会の一員としまして政策の提案を行っていくとともに、協議会での論議を踏まえた活動方針を、両者で共有しながら、第6次江別市総合計画の推進に向けたシティプロモートを進めているところでございます。江別シティプロモート推進協議会と市とは、連携してお互いに提案し合い、協働でさまざまなシティプロモートに関連する政策を進めているということでございます。市としての体系的な整理につきましては、えべつ未来戦略の枠組みの中で行われていると考えておりまして、その取り組み状況や方針に対する市民理解が促進されますよう、効果的な周知方法について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
堀直人
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江別シティプロモート推進協議会と市と協働でということだったのですけれど、協議会以外にもいろいろな市民がいますし、もっと広くいろいろなところにあると思います。体系的な整理についても、この部分は未来戦略より細かい普通の人でもわかりやすい整理を期待します。市民・行政ともに担い手が変化していくものでしょうから、誰もが参照・理解・共有できるものが必要です。第6次江別市総合計画の後期、それに基づく5年間の重点戦略の策定過程で、ぜひお考えいただきたいと思います。
項目6、20年先、30年先をも見据えた地域ブランドの形成手法についてですが、再質問いたします。地域ブランドを形成していく上で、行政にしかできないことがあると思います。その中の大きなものとして、制度で取り組みを支えていくという行為なのかと思うのです。項目4で例示している東川町ですが、宣言や条例というものも活用しております。東川スタイル人口8,000人のまちが共創する未来の価値基準という書籍の中で、行政のやってきたことを紹介する章があるのですが、豊かな暮らし方をデザインするための条例や制度をつくるなどの項で、行政の取り組みが紹介されております。もちろんこれらの行為は一度始められたら、不退転の決意を持つものなので、そこに至るまでの盛り上がりをつくっていくこと、それをまずはやっていくという順番なのでしょう。地域ブランドに関する部署を設置している自治体もあります。三重県桑名市の場合は、市長公室の中にブランド推進課を設置し、本物力こそ、桑名力というブランドキャッチフレーズを制作したり、市のブランド推進とはどういうことなのかという問い合わせに対応するための桑名ブランドコンセプトブックを作成しております。こういうことがやりたいのだということが一目でわかり、盛り上がりをつくっていくことに寄与する取り組みであると感じたものです。20年、30年かけて地域ブランドの構築をしていくために、積極的に市の事業として地域ブランド形成の推進を図り、盛り上がりをつくっていく機運を醸成していく必要性について、お考えをお聞かせください。
三好昇市長
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地域ブランド形成のための制度での取り組みについてでございますが、市では、これまでもれんがや焼き物の魅力を市内外に浸透させるため、ハード・ソフトの両面から、江別経済ネットワークなどさまざまな組織を活用して、または協働して進めてまいりました。さらに、江別産小麦のブランド化に向けた支援を行ってきたほか、シティプロモート担当部門を設置して情報発信を促進することなども、これに該当するものではないかと思っております。これらのさまざまな仕組みづくりによりまして、行政として地域ブランド形成に取り組んでまいりたいと考えております。江別では、このブランドと言いますのは、非常に長い間かけてでき上がるものだと思ってございます。行政が一方的にできるものではなく、地域で一緒になってできるものでありますから、長く時間をかけて育てていくということが必要であろうと思っております。そのような流れが、先ほど申し上げた江別産小麦ということではないかと思っております。今後も地域ブランドを形成していくためには、そういう機運を醸成していくということが必要であろうと思っておりまして、現在、魅力を発信するシティプロモートを進めておりますので、その中で、さらに機運が醸成できるように努力してまいりたいと考えております。以上でございます。
堀直人
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今、市長がおっしゃられたように、長い期間をかけてブランドはつくっていくものだと私も思っております。ですので、やはり私は、先を見据える必要性があると思うのです。現状の継続では破局的な将来が予測されるとき、未来のある時点に目標を設定し、そこから逆算して現在すべきことを考えるバックキャスティングという手法があります。そのときゴールの旗印というものは、市民がそれをイメージできるための具体性、そのイメージされたものに向かいたいと憧れを与える物語性が必要です。ブランド構築のための具体性、物語性についても、研究していただけたらと思います。協働でやっていくというのはもちろんのことですので、機運の醸成ということについては、あとはどのくらいの力を配分していくかということになると思います。そのときどきに応じて注力していただき、個別のブランドではなく、それらを統合した20年後、30年後も続いていく江別全体を表現する地域ブランドを育てていただけたらと思います。
最後に、項目7、未来に向けて江別の風土と文化を育むことについてですが、市民が江別市のよさを感じ、自信を持って発信できるような風土・文化づくりの取り組みを土台としながら、市民協働のプロモーションを進めたいということで、よいお答えをお聞かせいただいたと思っております。私たちは、この恵まれた郷土の自然と歴史をこよなく愛し、よりよい江別の発展を願いこの憲章を定めますと、1968年に制定された江別市民憲章の前文にはつづられております。こうした市民が共有できる道しるべもお知らせしながら、御答弁の中でも語られている、いわゆるシビックプライドを高揚させていただき、誰かにお任せのまちづくりから、大変ではあるけれど、参加して楽しいまちづくりが図られるよう、市の側からも尽力していただけたらと思うところです。
私からは、以上です。
※この全文は、音声等をもとに起こしたものです。