平成29年第1回定例会:一般質問

堀直人
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ただいま、議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。

今回の質問では、ふるさと納税によるクラウドファンディングの活用について、サテライトオフィス及びテレワークの推進について、この2件についてお聞きしたいと思います。それでは1件目、ふるさと納税によるクラウドファンディングの活用についての質問に入らせていただきたいと思います。

クラウドファンディングとは、インターネット上で「こんなプロジェクトを実施したいので、お金を提供してください」と呼びかけ、群衆(クラウド)から資金調達(ファンディング)することを言います。そのなかで、自治体がプロジェクトの主催者となるガバメントクラウドファンディングと呼ばれるものが、自治体の財源不足、クラウドファンディングの浸透、共感を集めるプロモーション手法として有効であるという認知の広がりを背景に活発化しています。こうした流れは、過去にも江別市議会で議論されており、平成26年第1回定例会における相馬議員の一般質問に対しては、「賛同する不特定多数の方々から比較的少額の資金を募り、事業等を達成しようとするもので、さまざまなものに活用が可能である」とし、「市民参加の醸成の視点からもクラウドファンディング等の活用も検討してまいりたい」との答弁。さらに、平成27年第4回定例会における角田議員の一般質問に対しては、「クラウドファンディングを有効に活用し、市の施策や地域の産業振興における活動資金の調達を進めるためには、そのための仕組みの構築が必要となりますことから、事業者や市民の認知度の広がりを見きわめつつ、経済団体とも十分協議の上、引き続き研究してまいりたい」との答弁でした。そうした議論を踏まえつつ、クラウドファンディングの市場規模は、矢野経済研究所調べによりますと、2015年度は前年度比68.1%増の363億3,400万円拡大とあり、確実に認知度の広がりを見せていること。さらには、仕組みの構築が民間サービスによって、ふるさと納税制度とクラウドファンディングを組み合わせるというかたちでなされていることから、当市における行政が主体となったクラウドファンディングの活用についての是非をお訊きしたいと思います。

項目1、市の事業をふるさと納税によるクラウドファンディングを活用し実施することについてです。ふるさと納税については、議会でも幾度もなく議論されており、直近でも平成28年第4回定例会における徳田議員の一般質問で詳細になされたので、今回はクラウドファンディングを活用したふるさと納税という観点で行なっていきたいと思います。何故、ふるさと納税にクラウドファンディングを活用すると良いのか。そのメリットについて、挙げていきたいと思います。

一つ目は、資金調達をしやすいことです。例えば、30,000円の寄附をした場合、還付または、住民税からの控除額は28,000円となり、実質負担額は2,000円となります。つまり、2,000円の負担で30,000円分の想いをカタチにできるとともに、リターン品を受け取ることができるため、通常のクラウドファンディングより格段に資金調達がしやすいと言えます。

二つ目は、資金の使途が明確に限定されることです。福井県勝山市では、頭の落ちてしまった巨大恐竜モニュメントの復元プロジェクトに、クラウドファンディング型ふるさと納税を活用しました。結果、94人から7,455,619円の寄付が集まりました。達成率は20%でしたが、目標金額の達成有無にかかわらず寄付を受け取るオールイン方式を採用しているため、申し込み完了時点で寄附が行なわれたとのことです。リターン品には、ホワイトザウルスポスターの撮影参加権が含まれており、来訪の仕組みが組み込まれているとともに、ホワイトザウルス設置広場に寄附者としての名前掲載も含まれているため、自らが行なった寄付について鮮明な実感をもたらし、納得感や特別感を与える仕掛けになっております。

三つ目は、ふるさと納税本来の趣旨に合った運用ができることです。平成29年2月26日の北海道新聞朝刊によると、道内自治体の6割が、ふるさと納税制度の是正が必要と回答しており、総務大臣も「返礼品の是正策を検討する考えを表明している」という趣旨の記事がありました。さらに、平成29年3月1日の北海道新聞朝刊によると、インターネットで寄付を仲介する大手ポータルサイト「ふるさとチョイス」の運営会社トラストバンクが、4月から返礼品の掲載基準を見直すとし、その理由として「制度の存続が危うくなるかもしれない」としているようです。返礼品を「モノ」とすると、クラウドファンディングは「コト」に進化したふるさと納税です。こうした世論に対応するためにも、自治体にとってクラウドファンディング型ふるさと納税に取り組むのは、もはや避けられない必須事項となっております。

四つ目は、ふるさと納税の潜在層を掘り起こすことができることです。今までクラウドファンディング型ふるさと納税の利点について述べて参りましたが、そうとは言え、返礼品からクラウドファンディングへとふるさと納税の運用を全面的に変更すべきという意味ではありません。市内事業者の方々の心のこもった産品を、返礼品にすることによってもたらされるシティプロモートなどの効果は極めて高いものであり、同時にふるさと納税の返礼品にすることにより産業振興施策にもなっています。よって、クラウドファンディング型ふるさと納税は、ふるさと納税の潜在層を掘り起こすことに使うのが得策と考えるものです。野村総合研究所が、2015年11月期から12月期の関東エリア男女20代から50代の2,267人に行なった調査によると、ふるさと納税の認知率は93%、それに対して利用率は11.3%だったとのことです。つまり、ふるさと納税を知っている9人に1人しか利用していないということになります。何故、利用しないか。2014年11月のライフメディアリサーチバンクによるふるさと納税に関する調査によると、38.6%が制度がよくわからないことを理由としています。つまり、すでに江別市がいただいている返礼品型ふるさと納税はそのまま伸ばしていきながら、ふるさと納税のことは知っているけど、制度がよくわからないから使わないという層にアプローチするのが、次に実施すべき営業戦略と分析できます。そして、その戦略を構成する作戦の一つに、このクラウドファンディング型ふるさと納税が有効というわけです。クラウドファンディングは、SNSとの相性が良いことも特徴であり、モノではなく、コトへの共感で動くという返礼品では捉えられない層へアプローチが可能です。

五つ目は、愛着と共感を集めることができることです。犬の殺処分ゼロを掲げる神石高原町では、「広島から全国へ!殺処分0にご支援を」というクラウドファンディングを実施したところ、370,734,280円の寄付が集まりました。こうした共感を集めるプロジェクトが、寄付を契機として自治体への愛着や共感、損得ではない深い結びつきを創出します。つまり、クラウドファンディング型ふるさと納税は、コトを共有することで、今までのふるさと納税以上にファンづくりや地域の良質なイメージ形成に役立ち、ひいては他地域と差別化したシティプロモートとなりえます。ふるさと納税を通してシティプロモートを推進するという方針を持つ江別市にとっては、有効な手立てではないかと思われるものです。

これら5点の主要なメリットをまとめると、クラウドファンディング型ふるさと納税を活用することで、潜在している市場を掘り起こし寄付額を伸ばしながら、寄付者と強固な関係性をつくるのと同時に、ふるさと納税の本質を取り戻すことができるのです。以上のことから、ぜひ江別市でも、クラウドファンディング型ふるさと納税の活用を進められてはいかがかと思うものですが、お考えをお聞かせください。

項目2、市民から募集したプロジェクトにふるさと納税によるクラウドファンディングを活用することについてです。行政が発案する事業について、ふるさと納税によるクラウドファンディングを実施することも効果的ですが、何より市民が発案するプロジェクトについて、このふるさと納税によるクラウドファンディングを活用可能にする仕組みの構築が、とりわけ大きな効果を生むのでないかと考えているところです。項目1でも申したように、実質2,000円の負担で応援したい地域への想いをカタチにできるとともに、リターン品を受け取ることができるため、通常のクラウドファンディングより格段に資金調達がしやすいのが、ふるさと納税制度によるクラウドファンディングです。ふるさと納税の活用は、行政にしかできないことです。また、共感を集めるプロジェクトは、行政だけで考えるのは難しいでしょうし、すでに市民のなかには共感を集めうるプロジェクトを実施している方々も多くいます。こうした市民に対し、プロジェクトを募集し、それらプロジェクトを取りまとめ、行政が窓口になってふるさと納税によるクラウドファンディングを活用することは、市民活動や起業のインキュベーションになるものです。こうした行政にしかできない役割を市が担い、市民をバックアップし、市民の創造的活動のスタートアップやレベルアップを支援することこそ、市の使命ではないでしょうか。市民協働の推進や市民自治の活性化においても、市民によるまちづくりが進んでいるまちという良質なイメージ形成を行ない、全国から共感を集め、江別市をプロモーションする手段としても、またそれらが相乗効果を生み出す仕掛け・仕組みとしても有効と言えることから、市民からプロジェクトを募集し、市がとりまとめの窓口になり、ふるさと納税によるクラウドファンディングの活用することを、ぜひとも導入していただきたいと思うものですが、お考えをお聞かせください。

以上が、件名1、ふるさと納税によるクラウドファンディングの活用についての質問でした。続きまして、件名2、サテライトオフィス及びテレワークの推進についての質問に入らせていただきたいと思います。

サテライトオフィスとは、東京都心などに本社を持つ企業が、郊外や地方に準拠点として設置するオフィスのことを言います。企業としては、人材の確保、固定費の削減、時間の効率化、生産性の向上、業務継続維持のバックアップ拠点などのメリットが挙げられ、地域にとっても、雇用の増加、移住の促進、消費の活発化、空き家や空き店舗の活用など、地域活性化につながると考えられています。さらには、地方創生、東京一極集中の是正、働き方改革、女性の活躍などを掲げる国の施策も相まって、サテライトオフィスは、全国各地に広がりを見せている状況です。

テレワークとは、情報通信技術、いわゆるICTを活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。東京では人材が足りず、地方では求人が足りないと言われています。そこで、2016年3月6日現在の求人数をリクナビNEXTで、テレワークになじみやすい業種を選んで検索してみました。事務・管理の求人は、東京23区838件に対し北海道96件。Web・インターネット・ゲームの求人は、東京23区216件に対し北海道9件。クリエイティブの求人は、東京23区366件に対し北海道18件。ITエンジニアの求人は、東京23区634件に対し北海道62件であります。次に目安として、平成27年国勢調査の人口統計を重ねてみます。東京23区の人口は、9,272,740人。北海道の人口は、5,381,733人とされているので、それを求人件数で割りますと、事務・管理の求人1件あたりの人口は、東京23区11,065人に対し北海道56,059人。Web・インターネット・ゲームの求人1件あたりの人口は、東京23区42,929人に対し北海道597,970人。クリエイティブの求人1件あたりの人口は、東京23区25,335人に対し北海道298,985人。ITエンジニアの求人1件あたりの人口は、東京23区14,625人に対し北海道86,802人であります。これを比較しますと、事務・管理の求人対人口は、北海道に対し東京23区が約5倍。Web・インターネット・ゲームの求人対人口は、北海道に対し東京23区が約14倍。クリエイティブの求人対人口は、北海道に対し東京23区が約12倍。ITエンジニアの求人対人口は、北海道に対し東京23区が約6倍ということで、粗い分析ではありますが、やはり東京では人材が足りず、地方では求人が足りないということが観察されます。こうした双方の不一致を解消するため、大都市部は業務を地方に移転することで、人材不足という課題を解決し、地方は大都市部の業務を誘致することで、東京単価という質の高い仕事を地域住民の方々に提供することができるという双方にとってメリットのあるものです。こうした背景を踏まえつつ、江別市としてこれらの時代環境を最大限生かし、施策を展開し地域活性化を目指していただきたいという想いから、質問に入らせていただきます。

項目1、サテライトオフィスやテレワークによる企業誘致及び業務誘致についてです。宮崎県日南市では、2016年4月にIT企業のサテライトオフィスを誘致し、そのわずか4ヶ月で徒歩圏内に6社の立地が決定したとのことです。そのサテライトオフィスの一つは、2016年度のグッドデザイン賞も受賞し、サテライトオフィスがある油津商店街は、以前は寂れたシャッター商店街だったとは思いもよらない、今では約400mの小さな商店街に、IT企業のサテライトオフィスが続々と集まってきている商店街になっているとのことです。このように空き店舗活用とサテライトオフィス設置を組み合わせることで、企業誘致と商店街活性化が同時になされている事例です。工場立地であれば、工業団地が埋まってしまうという天井がありますが、ITやクリエイティブなどといった業種の企業は、さまざまな物件を事業所とすることができ、空き家・空き店舗・空き団地・空きビルなどの余剰ストックを活用することすることが可能なばかりか、地域課題の現場でその解決に取り組むことで、保有する技術力を証明する事例にしたり、不利条件をリノベーションすることで、企業マインドを表現し広く知らせたいというニーズがあるようです。つまり、サテライトオフィスとして進出する企業は、その地域だからこそ生み出せる新価値との相乗効果で、企業価値そのものを上げていこうという感覚を持ち、その地域のまちづくりや地域課題解決に貢献するという志向を持つのが特徴であり、日南市の事例のように、雇用創出だけに留まらない、さまざまな波及効果をもたらすとのことです。サテライトオフィスのパターンとしては、日南市の事例のように、市外本社企業に対して、サテライトオフィスとしての企業誘致を行なうケース。サテライトオフィス用の専用オフィスを設置、あるいはそうした事業を行なう企業を誘致し、サテライトオフィスを導入しようとする入居企業を募集するケース。テレワークセンターを設置し、業務と人材のマッチングや、その業務を元にした起業支援を行なうケース。起業を行おうとする市民を支援するかたちで、サテライトオフィスの事業を展開してもらうケースなどが挙げられます。前述のように、サテライトオフィスやテレワークの推進には、企業誘致と同時に、空き家や空き店舗対策、商店街の活性化、市が保有および関連する空きスペースの活用など、さまざまな問題を解決する可能性を秘めています。江別の地域事情に即した手法を選択し、江別市の活性化と課題解決を行ないうるサテライトオフィスやテレワークの推進を実施してはいかがかと思うものですが、お考えをお聞かせください。

サテライトオフィス及びテレワークの推進については以上です。これをもって、私からの1回目の質問とさせていただきます。


三好昇市長
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堀議員の一般質問にお答え申し上げます。私からは、サテライトオフィス及びテレワークの推進についてお答えしたいと思います。

サテライトオフィスやテレワークによります企業誘致及び業務誘致についてでございますが、国はサテライトオフィスを企業等が本拠から離れたところに設置する遠隔勤務のためのオフィスとしまして、サテライトオフィスにおける勤務をICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークの一つの形態と定義しております。国は、地方創生の基本目標の一つとしまして、首都圏から地方への転出・転入を均衡させ、東京一極集中を是正するため、都市部から地方へオフィスを移し、人の流れを新たにつくり出すテレワークを推進しております。市といたしましては、これまでも企業の需要に応じてコールセンター等の誘致を進めてきたほか、企業誘致には人材確保が重要と考えておりますことから、大学生の市内への就職意欲を高める有給インターンシップ等地域就職支援事業や子育て世代の女性の復職支援となる働きたい女性のための就職支援事業などに取り組んでまいりました。さらに今年度は、首都圏のIT企業等を対象に北海道が開催した展示会に出展しまして、江別市の立地環境のPRや企業側のニーズの聞き取りを行うなどの取り組みを展開しているところでございます。いずれにいたしましても、企業の活動の拠点を誘致することは、雇用の創出や消費活動により地域経済の活性化につながるものと認識しておりますことから、今後も国の制度の情報収集に努めるとともに、企業のニーズや動向把握等を行いまして、拠点の規模や形態にこだわらず、サテライトオフィス等の企業誘致を進めてまいりたいと考えております。

私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、総務部長からお答え申し上げます。


齊藤俊彦総務部長
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私から、ふるさと納税によるクラウドファンディングの活用についての御質問に御答弁申し上げます。

まず、市の事業をふるさと納税によるクラウドファンディングを活用して実施することについてでありますが、近年、事業の資金調達の手法として、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングが一部の自治体において行われていることは、市としても承知しているところでございます。その中では、美術館開設に関する事業など目標額を達成できた事業もある一方で、目標額に至らなかった事業も多数あるようでございます。次に、当市のふるさと納税の寄附金の取り扱いについてでありますが、平成27年度までは寄附のあった翌年度に寄附者の意向に沿った事業に充当しておりましたが、平成28年度からは寄附者の意向をより早く事業へ反映するために、現年度の事業に充当することにいたしました。また、これに合わせて充当予定事業につきましてもあらかじめ公表することといたしました。こうした市の取り組みは、クラウドファンディングの考え方に沿ったものと認識しておりますことから、引き続き、ふるさと納税の充当事業につきまして、より細やかで寄附者の共感が得られるような情報提供ができるよう工夫しながら、寄附者と市のつながりをより一層強めてまいります。議員御質問のクラウドファンディングの活用につきましては、有効な手法の一つであると考えますことから、今後、多くの方に共感を得られるような事業を実施する場合は、その活用を検討してまいりたいと考えております。

次に、市民から募集したプロジェクトにふるさと納税によるクラウドファンディングを活用することについてでございますが、議員御指摘のとおり、市民の創造的活動に市が支援することは、市民協働を進めていくためには重要なことと認識しております。こうした認識のもと、市におきましては、これまでふるさとふれあい推進基金を活用するなど、市民団体や各種イベントなどへの支援を行ってまいりました。直近の事例で申し上げますと、平成28年度には、市民レベルでの地域活性化に寄与する大学連携学生地域活動支援事業などへふるさと納税の充当を行ったところでございます。議員お尋ねの市民から募集したプロジェクトにふるさと納税によるクラウドファンディングを活用することにつきましては、公金としての性格上、慎重な取り扱いが求められ、対象となる事業の具体的な選考基準や審査の仕組みづくり、目標額を達成しなかった事業の実行性の確保など、さまざまな課題がありますことから、先進事例について調査研究をしてまいりたいと考えております。

私からは以上でございます。


堀直人
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ご答弁ありがとうございました。それでは、2回目の質問に入らせていただきます。

1件目、ふるさと納税によるクラウドファンディングの活用については、要望です。市の事業をふるさと納税によるクラウドファンディングを活用し実施することについてですが、クラウドファンディングの資金調達方式として主流なのは、期間内に目標金額に達していなければ、集まった資金を受け取ることができないオールオアナッシング方式ですが、ふるさと納税によるクラウドファンディングでは、目標金額の達成有無にかかわらず寄付を受け取るオールイン方式になります。よって、活用可能な事業がありましたときは、少しでも多く資金を調達する意味でも、ぜひ積極的に実施していただきたいと思います。さらに資金調達面だけではなく、ふるさと納税への批判の高まりがあります。こうした声に対応していくという意味でも、クラウドファンディング型ふるさと納税を取り入れることで、ふるさと納税制度の本質に立ち返り、返礼品型ふるさと納税と両輪で、江別市のよりよいふるさと納税のかたちを築いていただきたい。そして、自治体の人気投票時代に適応するためにも、積極的に地域の活力を引き出していただきたいと思います。

市民から募集したプロジェクトにふるさと納税によるクラウドファンディングを活用することについては、ご答弁にもありました、江別市ですでにある「ふるさとふれあい推進基金」など他事業と組み合わせることにより解決できる課題もあるでしょうし、佐賀県では、ふるさと納税によるクラウドファンディングを活用し、支援したいNPO等を指定して寄附することができるようです。リターン品は指定されたNPO等が自らの創意工夫で発送することで、県の事務経費を抑え、できる限り多くの額を指定されたNPO等にお渡しし、「自ら考え行動する自発の地域づくり」を応援しているとのことでした。このような先行事例もあり、不可能なことではありません。市民のなかには、自分の生活や本業などさまざまと折り合いながら、それでも深い公共心を持って地域のために活動する方々が多くいます。そうした活動を支援し、また行政だけでは困難となる部分は連携し、よりよいまちをつくっていく仕組みを構築していくことが、これからの時代、ますます重要です。このふるさと納税によるクラウドファンディングを活用した市民と行政の協働は、これに大きく寄与しうるものですので、先行事例を調査・研究しながら、ぜひ導入に向けて進めていただきたいと思います。

続きまして2件目、サテライトオフィス及びテレワークの推進について、再質問いたします。

「国の制度の情報収集に努めるとともに、企業のニーズや動向把握等を行い、拠点の規模や形態にこだわらず、サテライトオフィス等の企業誘致を進めてまいりたい」とのお答え、理解いたしました。「国の制度の情報収集に努める」とのことでしたので、たとえば平成28年6月10日を提出期限とし公募された、総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」のようなメニューがあれば、その提案に向けて具体的に動いていただけるものと感じているところです。参考までに、「ふるさとテレワーク推進事業」の実施要領を見ますと、補助金の交付額は、定額の上限4,000万円。ふるさとテレワーク事業の要件は、必須形態として「地方のオフィスに、都市部の企業が社員を派遣し、本社機能の一部をテレワークで行う」こと、もしくは「子育てや親の介護を理由に地方への移住を希望する社員が、テレワークで勤務を継続する」こととし、これに併せて「クラウドソーシング等を利用し、個人事業主として、又は起業により、都市部の仕事をテレワークで受注する」こと、「都市部の企業が、テレワークで働く人材を、新規に地方で採用する」ことが選択可能で、そのための拠点整備を行なうという内容。提案者は、地方公共団体、民間企業等からなるコンソーシアムの代表機関とするとのことでした。たしかに、このサテライトオフィスやテレワークというものは、市だけではできません。実施要領にあるように、大都市圏から地方への人の移動を担う企業など、サテライトオフィスを導入したいという事業者。一方で地域側としては、そうした事業者を受け入れるために、実際に中心となり拠点を運営する担い手となる市民。大都市圏から誘致した業務を処理するための人材確保や研修を支援する教育機関など、こうしたプレイヤーと連携体制を構築しながら、市の施策として展開していくことになります。ということは、国から公募になってから仕込んだのでは、とても間に合わないでしょう。よって、サテライトオフィスやテレワークの推進に必要な準備は、今からもう具体的に動いた方がよいのではないかと思うものですが、お考えをお聞かせください。

以上、要望と2回目の質問でした。


三好昇市長
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再質問にお答え申し上げます。

サテライトオフィス及びテレワークの推進に必要な人材、またその体制、対応なりを今からあらかじめ準備をしておくべきではないかということでございますが、市ではこれまでも企業の需要に応じまして、サテライトオフィスの一つでございますコールセンターなどのほか、形態や規模にこだわらず広く企業誘致を進めてまいりました。国の制度を活用するサテライトオフィスやテレワークの推進は、江別市に進出する企業の具体的ニーズに基づき準備の必要があると考えておりまして、現時点ではそれら全てをそろえるということは非常に難しいものと考えておりまして、今後の研究課題としてまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、企業の活動拠点を誘致することは、雇用の創出や地域経済の活性化につながりますので、今後とも国の制度の情報を収集するとともに、企業のニーズや動向の把握を行いまして、サテライトオフィスを初め、広く企業誘致を積極的に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。


堀直人
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ご答弁ありがとうございました。最後に、要望で終わらせていただきます。

お答えにもありましたように、サテライトオフィスやテレワークの推進に関しては、企業のニーズがあって具体的になるものでしょうし、企業のニーズがあったときには、これを受け入れる地域の体制が必要で、これ全てを市の職員だけで行おうとするのは過酷です。こうしたことを視野に入れ、さまざまな情報収集や企業へのアプローチ、市民との協働や新しい担い手の確保など、実現を可能にする具体的な準備を進めていただけたらと思います。事例に挙げた日南市は、約40万人の宮崎市のとなりまちで、宮崎空港から50km程度、人口約5万人のまちであり、必ずしも江別市より有利な条件のまちとは言えません。しかし日南市は、2013年に中心市街地活性化事業の一環として、マーケティング専門官とテナントミックスサポートマネージャーを民間から起用。行政と民間の二人三脚で、油津商店街の再生を進めているとのことです。また、日南市にサテライトオフィスを進出させて企業のインタビューを読むと、進出の決め手になったのは、「日南市のスピード感」であったり、インタビュー記事には「日南市の熱意」であったりが挙げられていました。このスピード感や熱意というものは、定量的・定性的に測ることが難しく、おそらくそれが実現されたとき評されるものなのかもしれません。ご答弁のなかからも、江別市の企業誘致に賭ける熱意が読み取れます。ぜひともサテライトオフィスについても誘致を実現し、それを効果的に広報し、目に見えるかたちにすることで、企業が企業を、人材が人材を呼び込む好循環を創出していただけたらと思います。

市長が、市政執行方針で語られた「若者の首都圏への一極集中の是正を進めたい」ということにも、このサテライトオフィスやテレワークの推進は有効となりうるものなので、ぜひとも積極的に進めていただきたいと思うものです。

以上をもって、わたしからの一般質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
 

※この全文は、音声等をもとに起こしたものです。